19621128-03

Autumn Leaves
(Jacques Prevert – Joseph Cosma)
(10分12秒)



【この曲、この演奏】
 ハンガリー出身の作曲家ジョセフ・コスマが書いた曲に詩人のジャック・プレベールが詩をつけ、ジュリエット・グレコの歌で大ヒットしたシャンソンの名曲。(資料14)

 多くのジャズ・マンに、そして多くのジャズ・ファンに愛されている、有名スタンダード曲です。この「枯葉」のコルトレーンの演奏記録というと、この11月28日のグラーツ以外に1回あります。それは1960年3月28日に当時の西独のデュッセルドルフで行われた演奏です。スタン・ゲッツやウィントン・ケリー達と共に出演した、ラジオとテレビ向けの収録でした。

 コルトレーンのリーダー・セッションとなると、この11月28日のグラーツだけが、記録に残っています。(資料07)

 この1962年の欧州ツアーで、このグラーツだけでこの曲が演奏されているのは、不思議なものです。私の考えるところでは、1961年の欧州ツアーでの11月20日のコペンハーゲンで、「Delilah」を演奏したのと同じようなものなのでしょう。現地の興行主からの要望から演奏されたのだと思いますが、各資料を眺めても「枯葉」が演奏された理由の記述は見当たりません。


 さて演奏ですが、まずはピアノ・トリオで4分半ほどの演奏で始まります。この印象的な曲で想像力を爆発させるマッコイに、圧倒される内容です。

 そしてコルトレーンがソプラノ・サックスを手にして、演奏を始めます。最初はこの曲への戸惑いを感じさせるコルトレーンですが、吹き始めて1分を過ぎるとコルトレーンの世界に入っていきます。そして3分を過ぎたあたりから、この曲で暴走する集団を目の当たりにします。そんな5分半のコルトレーンの演奏で終わっていきます。




【エピソード、J. クルーゼとM.デロームとのインタヴュー、その29】
質問者
 あなたがラヴィ・シャンカールを敬愛するのも、カラーとリズムのせい?

コルトレーン
 (笑いながら)実のところ、私はラヴィ・シャンカールの大ファンでね。彼の音楽を聴くと、模倣せずにはいられない、もちろん一音、一音という意味ではなく、その精神をね。今の私は、自分なりにモーダルな何かを追求している時期なんだ。過去にもいろいろな時期を経てきた。例えば”コード”にこだわった時期があった。「ジャイアント・ステップス」をレコーディングした頃だ。

1962年11月17日のジャン・クルーゼとミシェル・デロームによるコルトレーンへのインタヴュー。ジャズの手帳誌、一九六三年第八号。(資料04)

収録アルバム

【ついでにフォト】

2009年 みなとみらい、横浜

(2022年10月20日掲載)