Bye Bye Blackbird
(M.Dixon – R.Henderson)
(22分31秒)
【この曲、この演奏】
コルトレーンの1962年欧州ツアーで冒頭演奏定番曲であるこのスタンダードが、この11月28日のオーストリアのグラーツ公演でも1曲目に演奏されました。
さてこの演奏ですが、最初に発売されたマグネティックのCDでは冒頭の10秒ほどが収録されていません。その後に発売されたブートレグでは、演奏前の拍手や音合わせの36秒を含めて収録されています。
テナー・サックスでのコルトレーンがテーマを吹き、そのままアドリブ・パートへ入っていきます。冒頭からの7分半ほどのコルトレーンの演奏は、テーマを大切にして一音一音しっかりと吹き、観衆の様子をうかがっているようにも思えます。
続くのはマッコイによる5分ほどのピアノ・ソロです。後半にかけて盛り上がっていく様子、そしてコルトレーンのソロから絶好調のエルヴィンと、なかなかの演奏になています。演奏はベースに焦点が当たり、エルヴィンとマッコイのサポートを受けてにピッチカートによる7分弱となっています。
再びコルトレーンの演奏にもどり、テーマを大切に3分ほど吹いて、演奏は終わっていきます。
【エピソード、オーストリア公演について】
録音が残っている11月22日のコペンハーゲンの翌日の23日から25日までの3日間は、コルトレーン・バンドは西独の主要3都市で公演を行った。11月26日は珍しく公演はなく、翌27日にはオーストリアのウィーンで公演を行った。この西独3カ所とウィーンでの公演の音源は、今現在でも確認されていない。
そして11月28日にオーストリアの第2の都市であるグラーツで、コルトレーン・グループは演奏した。その演奏の模様は、ORF Radio Broadcast が録音していた。
会場は Grosser Stefanien-Saal であり、Wikipedia によれば1885年から使われている演奏会場で、収容人員は2400人とのことだ。
【ついでにフォト】
2009年 みなとみらい、横浜
(2022年10月18日掲載)