Impressions
(John Coltrane)
(8分36秒)
【この曲、この演奏】
11月20日のヘルシンキでは演奏されなかったこの曲ですが、1962年欧州ツアーでは何度もの演奏された曲であり、この22日のコペンハーゲンでも演奏されました。
短いテーマから入り、溢れ出るインプロヴィゼーションの流れが最後まで続く、コルトレーンのテナー・サックスに気持ちを乗せて聴き入る9分弱です。これでドラムスの録音レベルがしっかりしていれば圧巻と言えるので、そこは残念なところです。
【エピソード、J. クルーゼとM.デロームとのインタヴュー、その27】
質問者
あなたのバラードの解釈には、両極端な面が見受けられます。例えば「エヴリタイム・ウィ・セイ・グッバイ」のような曲ではテーマに沿ったインプロヴィゼーションに終始していますが、一方、「グリーンスリーヴス」のような曲では、バラードを全く別物に、それは爆発的に変化させている。今はどちらの方向が好みですか?
コルトレーン
曲によっては原曲どおりにやってもバンドにフィットするから、手を加える必要がない。それは厳密に言うと個人の問題で、どういうコンセプトを持っているかによる。私のレパートリーの中にも、特に手を加えずとも満足できる曲がいくつかある。メロディのある美しいラインには、何かを付け足す必要がないんだ。その一方で、単にインプロヴィゼーションの出発点にすぎず、中身を膨らませる必要がある曲もある。その場合も、全てはプレイヤーのフィーリング次第だ。プレイの瞬間に、どういったことを感じ取るかによる。
1962年11月17日のジャン・クルーゼとミシェル・デロームによるコルトレーンへのインタヴュー。ジャズの手帳誌、一九六三年第八号。(資料04)
【ついでにフォト】
2009年 みなとみらい、横浜
(2022年10月16日掲載)