Mr. P.C.
(John Coltrane)
(19分6秒)
【この曲、この演奏】
コルトレーンの1962年欧州ツアーでの定番演奏曲が続きます。
コルトレーンのテナーでいつものようにテーマを演奏してすぐに、マッコイの4分半ほどのソロとなります。実にスリリングなピアノですが、残念なのはドラムスの収録レベルが小さいことです。この4分半は、濃厚なトリオ演奏であったであろうと思います。
テナーとドラムスの掛け合いを挟んで、エルヴィンの3分半のソロとなり、これはしっかりと録音されています。複雑にリズムが絡み合う、神がかりとも感じる演奏です。
このようにリズム陣絶好調の中で満を持してコルトレーンが登場します。突っ走る姿が清々しい演奏です。4分あたりからピアノがオフになりますが、そこでのコルトレーンの演奏の変化も、興味深く聴けるところです。
ソロが始まって7分半ほどのところでテーマが短く入り、テナーとドラムスの掛け合いの後に、再び1分ほどの神がかりエルヴィン・ソロとなります。
演奏はコルトレーンへと移り、クロージングへとなっていきます。
【エピソード、J. クルーゼとM.デロームとのインタヴュー、その24】
質問者
オーケストラとのセッションには魅力を感じますか?
コルトレーン
いや。少なくとも今のところは。スタジオ・セッションを一つ終えたばかりだし、年内にまだ二つ残っている。普段なら、レコーディングを終えるとすぐ、次に何をするか考え出すんだが、今は特に次のレコードのことは考えていない。
1962年11月17日のジャン・クルーゼとミシェル・デロームによるコルトレーンへのインタヴュー。ジャズの手帳誌、一九六三年第八号。(資料04)
(マハール注:終えたばかりのレコーディングとはアルバム「バラッズ」制作の2度目のセッションのこと。これ以降この1962年にはレコーディングはない)
【ついでにフォト】
2009年 みなとみらい、横浜
(2022年10月13日掲載)