19621122-02

Chasin’ the Trane
(John Coltrane)
(7分12秒)



【この曲、この演奏】
 1961年のヴィレッジ・ヴァンガード録音4日間の中で3回演奏された(Chasin’ Another Traneを含めて)この曲ですが、音源が残っている限りでは1961年秋の欧州ツアーでの演奏はありませんでした。そしてこの1962年秋の欧州ツアーでは、この11月22日のコペンハーゲンでこの曲が(音源が残っている限りでは)初登場となりました。また1961年ヴィレッジ・ヴァンガード同様に、この日もマッコイ抜きでのトリオでの演奏です。

 コルトレーンのテナーによる一音一音大切にしながらも早い演奏となるテーマが終わると、すぐさまコルトレーンのソロとなり、それが最後まで続きます。要するに、コルトレーン吹きっぱなしのこの曲です。そのテナー演奏は、何かを取り戻したかのコルトレーン、何かを得たかのコルトレーン、そんな彼の気持ちが高まっている様子がわかるものです。




【エピソード、J. クルーゼとM.デロームとのインタヴュー、その21】
質問者
 では、仮にビッグ・バンドでもう一度セッションを行うことになったら、どのアレンジャーと一緒にやりたいですか? 例えば、ギル・エヴァンスとか?

コルトレーン
 どうだろう。どういう風にやるのがベスト何だろう。ギルが偉大なコンポーザーであると同時に、偉大なアレンジャーであるのは明らかだ。だから彼と一緒にやることには支障はない。自分のゴールが明確にあって、具体的なアイディアが固まっていれば、ギルをそっちの方向へ導いてやれる。そうなればきっとうまくいくだろう。彼はそうやってマイルスとも仕事をしている。彼はマイルスの望むようにアレンジを書いて、すぐに正しいサウンドを手にしてしまうんだ。楽器と楽器のバランスをとるのが抜群にうまい。だから、彼なら私の望みを全て叶えてくれるだろうが、やはり今の私には早すぎる。

1962年11月17日のジャン・クルーゼとミシェル・デロームによるコルトレーンへのインタヴュー。ジャズの手帳誌、一九六三年第八号。(資料04)

収録アルバム

【ついでにフォト】

2007年 アムステルダム、オランダ

(2022年9月30日掲載)