Bye Bye Blackbird
(M.Dixon – R.Henderson)
(17分51秒)
【この曲、この演奏】
前半の部でも最初に演奏されたこの曲を、後半の部でも最初に演奏しました。
前半の演奏が人生の楽しい部分の表現ならば、この後半の演奏は人生の酸いも甘いも表現しているような演奏です。
コルトレーンのテナーからテーマが始まり、47秒ほどでコルトレーンのアドリブ・パートに突入しますが、それは前半よりも1分近く長い3分48秒のものです。何かの閃きがあったのでしょう。続くマッコイは3分弱のソロ、そしてギャリソンの演奏は前半よりもだいぶ長い4分41秒のものです。ここでコルトレーンは、このカルテットでのギャリソンの存在に何かを感じたのかと、私は感じました。
最後に再びコルトレーンが登場し、テーマとアドリブ・パートを織り交ぜて5分半ほどの演奏を行い、終わっていきます。
【エピソード、J. クルーゼとM.デロームとのインタヴュー、その7】
質問者
あなたのグループでは過去に様々なミュージシャンが演奏しましたが、彼らは皆、有色人種のミュージシャンたちです。これは偶然ですか? それとも白人の感性では、あなたの創造する音楽のフォームに対応できないと?
コルトレーン
感性に関しては肌の色は関係ない。個人的には、個々のレベルの話だと思う。白人ミュージシャンと黒人ミュージシャンを差別化する基準は特に思いつかないな。そんな基準は存在しないんじゃないか。楽器のことを熟知していて、私たちがやっていることに何かを感じ、その音楽が好きだと言うなら、何の問題もない。だから、私たちと一緒にプレイすることに支障はない。
1962年11月17日のジャン・クルーゼとミシェル・デロームによるコルトレーンへのインタヴュー。ジャズの手帳誌、一九六三年第八号。(資料04)
【ついでにフォト】
2007年 アムステルフェーン、オランダ
(2022年9月14日掲載)