Traneing In
(John Coltrane)
(18分38秒)
【この曲、この演奏】
1961年の欧州ツアーでは演奏されなかったこの曲ですが、1962年の欧州ツアーでは何度も演奏された曲です。2日目の11月17日のパリ公演でも演奏されました。
ピアノが軽快に弾き始めて、そのままアドリブ・パートに入っていき、4分ほどの楽しいトリオ演奏となります。このトリオ演奏はそのままベースが主役となって続き、合わせて7分弱のトリオ演奏となりました。
そしてテナー・サックスのコルトレーンが登場し、11分45秒を吹き続けて、この曲の演奏は終わります。このコルトレーンのソロはテーマを短くしてのもので、ほとんどがアドリブ・パートであり、まさに”何かがひらめいた”コルトレーンだったのでしょう。
【エピソード、J. クルーゼとM.デロームとのインタヴュー、その4】
(コルトレーンの回答の続き)
だが、もう一度言うがね、私の嗜好性は長いソロに向いている。ソロを短く削るのは嫌なんだ。私がそれを求めているときはいつでも理由がある。そのときの状況によって求められるものが。アポロでもそうだった。あそこではソロをとるにも時間的な制約があった。自分を抑えることを求められたんだ。ただ、夜によっては、プレイを始めた瞬間に何かがひらめいて、これはすごいソロになりそうだと感じることがある。そういう場合にソロをカットするのは非論理的で理不尽だよ。私のアイディアは長いソロの中で膨らんでいく。自分では止められないし、そういうものとして受け止めるしかない。
1962年11月17日のジャン・クルーゼとミシェル・デロームによるコルトレーンへのインタヴュー。ジャズの手帳誌、一九六三年第八号。(資料04)
【ついでにフォト】
2007年 ブリュッセル、ベルギー
(2022年9月11日掲載)