Take The Coltrane
(D.Ellington)
(4分44秒)
【この曲、この演奏】
この歴史的セッションの最後に用意されたのは、エリントン楽団の代表曲「A列車で行こう」をもじった名前の曲です。あちらはビリー・ストレイホーン作のものですが、こちらはエリントンの手による曲です。コルトレーンのこの曲の演奏記録は本セッションだけです。ベースとドラムは、コルトレーン・バンドの二人が務めています。
さて演奏ですが、高速コルトレーンを存分に味わえるものです。コルトレーンのソロではほぼトリオでの演奏、エリントンは手を休めているのですが、ここでもやはりエリントンの存在の大きさを感じさせます。コルトレーンの持ち味を活かすセッティンをしたエリントン、さすがは稀代なバンド・リーダーだと、改めて実感しました。
【エピソード、Take The Coltrane について】
このアルバムでもうひとつの注目すべき曲は、エリントンがこのセッションのために書き下ろした「Take The Coltrane」だ。タイナーが「Chasin’ The Trane」でピアノを弾かなかったように、エリントンはこの曲においてコルトレーンのソロのあいだ伴奏をつけていない。ここでの彼(コルトレーン)のプレイは一九六一年十一月のヴィレッジ・ヴァンガード・セッションのソロスタイルの延長線上にある。彼はエルヴィンの繰り出すポリリズムをバックに、短い三音、四音、五音のパターンを繰り出したり、つなげたり、ひっくり返したりすると同時に、急速調のフレーズや十六分音符による長いパターンを織り込みながら吹きまくる。企画アルバムに専念していた時期におけるコルトレーンの偉大なソロの一つに数えられるだろう。
(資料03より)
【ついでにフォト】
2013年 みなとみらい
(2021年3月18日掲載)