Blue Train
(John Coltrane)
(12分39秒)
【この曲、この演奏】
後半の部は、前半の部で3曲目に演奏したこの曲から始まりました。
エリック・ドルフィーはアルト・サックスで参加しています。
テーマでのコルトレーンとドルフィーは、前半の部よりも息が合ったもので、また前半にない仕掛けも入れています。コルトレーンの4分49秒のソロは、ドルフィーの演奏を意識したものとの印象を持ちました。続くドルフィーの4分7秒のソロは前半より遥かに快調な演奏であり、それに続くマッコイの2分17秒のソロは前半同様に良いものです。
前半よりも演奏時間が3分以上少なくなっていますが、これはコルトレーンのソロが5分短くなっており、ドルフィーのソロが2分長くなっているためです。
【エピソード、11月18日の演奏の発売について】
1961年欧州ツアー22日間31公演(TV収録を除く)の演奏では、11月23日のストックホルムでのものが1970年代に発売されていた。しかしこの11月18日パリ公演の音源が世に出たのは1987年頃のことであった。Jazz Wayから発売されたブートレグであったが、この11月18日の全容をとらえたものとは言えなかった。
私は今現在、この日の音源について、次の三種類のCDを持っている。
Magnetic MRCD 114/15 (J. Coltrane Quintet – The Complete Paris Concerts – Nov. 18, 1961)
このCD2枚組が、初めて11月18日の演奏の全容を収録したものだ。私がお世話になっている渋谷のジャズ盤専門店で購入したもので、1990年頃と記憶している。ただし、このCDには発売年が記載されておらず、「Made In Germany」とあることから、もう少し後の発売だったかもしれない。いずれにしてもこのマグネティックという発売元は、エソルダンと並んで、興味深いアイテムをこの時期に発売していた。
Gambit 69240 (John Coltrane Quintet Featuring Eric Dolphy – The Complete November 18, 1961 Paris Concerts)
恐らくは2000年頃の発売。内容は上記のマグネティックと同じ。音質の向上を期待しての購入であった。その音質はほぼマグネティックと同じであるが、高音を強調している感じもある。なおクレジットで曲順の記載ミスがある。
Acrobat ACQCD7085 (The John Coltrane Quintet Featuring Eric Dolphy / So Many Things, The European Tour 1961)
1961年欧州ツアーの全容をとらえたCD4枚組として、2005年に発売されたものである。この11月18日に関しては、上記のものと同じである。
補足
Pablo VICJ-60831 (John Coltrane / Live Trane – The European Tours, released 2001, 7 CD)
パブロから1961年から1963年にかけてのコルトレーンの欧州ツアーの演奏が、CD7枚組で、2001年に発売された。そこにはこの11月18日の2曲が収録されているとのクレジットがあるが、それは11月23日の間違いである。
Le Chant Du Monde (John Coltrane / European Tour 1961, released 2017, 7 CD)
この2017年に発売されたCD7枚組は、Acrobatから2005年に発売されたものと中身は一緒であろう、国別にディスク割をしたことで枚数が増えたのであろうと考え、私は購入しなかった。しかしAcrobaにはない11月27日のシュトゥットガルト(ドイツ)での3曲がこれに収録されていることを、後になって知った。今ではこのCD7枚組は絶版であり、Amazonでは高値で取引されている。
【ついでにフォト】
2010年 タイプーサム、ペナン、マレーシア
(2022年7月27日掲載)