Spiritual
(John Coltrane)
(20分39秒)
【この曲、この演奏】
ヴィレッジ・ヴァンガード四日間で最後に収録されたのは「スピリチュアル」で、この曲は四日間全てで演奏されており、この最終日のが最も長い演奏時間となっています。
John Coltrane(ss,ts)
Eric Dolphy(bcl)
McCoy Tyner(p)
Reggie Workman(b)
Elvin Jones(d)
Garvin Bushell(contrabassoon)
演奏メンバーと使用楽器は二日目と同じであり、ガーヴィン・ブッシェルはコントラバスーンで参加しています。
バスクラとコントラバスーンで雰囲気を作り、コルトレーンのテナーが加わってテーマとなります。ソロはコルトレーンのテナーから始まり、8分間に渡りコルトレーンの気持ちが広がっていく様子がうかがえる演奏となります。またピアノとコントラバスーンが少しのオフはありますが、効果的なバッキングを行ってます。続いてドルフィーの4分半のバスクラでのソロですが、魂を絞り出す演奏です。そしてマッコイのピアノとなるのですが、3分弱の間、この曲の雰囲気を大切にした演奏を行なっています。最後のソロは再びコルトレーンで、今度はソプラノで2分の演奏です。そのままテーマとなり、演奏は終わっていきます。
この演奏は1977年に世に出ました。
【エピソード、マスター・ナンバー】
ヴィレッジ・ヴァンガード4日間で22テイクを収録したが、インパルス!がマスター・ナンバーを付けたのは、8つのテイクだけである。
初日 10570 Miles’ Mode (The Red Planet) (1977年発売)
二日目 10572 Softly As In A Morning Sunrise (1962年発売)
10576 Chasin’ The Trane (1962年発売)
10573 Greensleeves (1977年発売)
三日目 10574 Naima (1997年発売)
10575 Impressions (1979年発売)
最終日 10556 India (1977年発売)
10557 Spiritual (1977年発売)
1962年、1963年発売の演奏、つまりコルトレーンが生きていた時代に発売された曲だけなら、一部のテイクだけにマスター・ナンバーを付けた理由も分かるが、そうではない。
以上のマスター・ナンバーについては資料07の記載だが、セッション・ノートには9テイクにマスター・ナンバーとしてある。演奏リストはあくまで上記なのだが、これに初日の「ブラジリア」にもマスター・ナンバーがあるならば、演奏された9タイトル全てにナンバーを付けたことになる。
【ついでにフォト】
2010年 マレーシア ペナン島の朝
(2021年2月12日掲載)