Impressions
(John Coltrane)
(10分58秒)
【この曲、この演奏】
ヴィレッジ・ヴァンガード四日間のうち三日間で演奏された「インプレッションズ」ですが、この二日目は初日と同じメンバーですが、二分長い演奏となっています。
John Coltrane(ts)
Eric Dolphy(as)
McCoy Tyner(p)
Jimmy Garrison(b)
Elvin Jones(d)
初日の演奏ではテーマでコルトレーンにドルフィーが絡むのですが、この日はドルフィー抜きでのテーマ演奏です。すぐにコルトレーンの4分弱のソロに入りますが、後半の重量感ある熾烈さは流石のもの。続くドルフィーの3分程のソロには、軽快ながら執念を感じるものです。そしてこれまで静かだったマッコイのピアノソロが、2分半ほどあります。快く走るマッコイですが、後半のブロックコードでの表現にはゾクゾクします。そしてコルトレーンのテナーが後テーマを吹き始め、ドルフィーが妖艶に絡んで、ヴィレッジ・ヴァンガード二日目の全ての演奏は終わっていきます。
この演奏は1979年に世に出ました。
【エピソード、ボブ・シール その6】
デッカを辞したポップ・プロデューサーのシールは、再び最初の恋人、ジャズの方へと戻った。
ドット・レコードに入り、サッチモやレッド・ニコルスらとアルバムを作った。この後にピアノに、ビート・ジェネレーションの代表的詩人ジャック・ケルアック本人による詩の朗読を録音した。出来上がった作品は批評家の称賛こそ浴びたが、ドット・レコードの社長の道徳的な逆鱗に触れた。一歩も退かなかったシールはあっさりと解雇された。シールは自分のかつてのレーベルを復刻させ、新しくハノーヴァー・シグネチュアの商標で「ポエトリー・フォー・ザ・ビート・ジェネレーション」を出した。
その後にシールは、音楽界の大物モリス・レヴィ(有名なジャズ・ナイトクラブ「バードランド」のオーナー)の経営するルーレット・レコードで仕事を始めた。61年4月、サッチモとエリントンをスタジオに呼ぶことに成功した。エリントンをピアニストとしてサッチモのバンド、オールスターずに招き、エリントンの曲ばかりを演奏した。そこから「トゥゲザー・フォー・ザ・ファースト・タイム」と「ザ・グレート・リユニオン」が生まれた。この二つの作品は、消えかけていたシールの存在を再び業界に知らしめた。(資料13より抜粋)
【ついでにフォト】
2005年 香港、赤柱での龍舟競漕
(2021年1月25日掲載)