Impressions
(John Coltrane)
(8分52秒)
【この曲、この演奏】
コルトレーン作とのこの曲は「ソー・ホワット」を基にしたモード曲で(資料09)、「Excerpts」という曲名も使われています。
コルトレーンは何度もライブでこの曲を演奏しいきますが、この曲名での演奏は1960年7月からのようです。このヴィレッジ・ヴァンガード四日間でも三回演奏されており、その中でこの初日の演奏が、最も短いものです。
John Coltrane(ts)
Eric Dolphy(as)
McCoy Tyner(p)
Jimmy Garrison(b)
Elvin Jones(d)
黄金カルテット+ドルフィーでの演奏となっています。
さて演奏ですが、ドライブ感あるこの曲のテーマを、コルトレーンとドルフィーが絶妙の絡み合いで演奏し、そのままコルトレーンの3分弱のテナーでのソロに入ります。コルトレーンは3曲目にして、エンジンが回り始めたようで、内容豊かなソロとなっています。続くドルフィーのアルト・ソロは、この日最初から好調なドルフィーが一層火を吹く演奏です。続くのはここまで控えめにバッキングしてきたマッコイの2分のソロです。この日に初めて陽が当たる場面のマッコイは、二人に負けるものかとの迫力あるソロです。
ギャリソンとエルヴィンの勢いの良さも加わり、全員の気持ちに一体感が出てきた中で、後テーマに繋がっていきます。
この演奏は、1979年に世に出ました。
【エピソード、演奏曲数と発売】
このヴィレッジ・ヴァンガード四日間では、曲数としては9曲、計22テイクが演奏されている。演奏回数が多い順に並べると、次のようになる。
4回演奏(毎日演奏)
India、Spiritual
3回演奏
Chasin’ The Trane(Chasin’ Another Trane)、Impressions
2回演奏
Miles’ Mode、Naima、Greensleeves
1回演奏
Brasilia、Softly As In A Morning Sunrise
これら22回の演奏は、1962年から1997年までの35年間で、次の通り6回に分けて世に出たのだ。
1962年 A(S)-10(Coltrane “Live” at the Village Vanguard)
Softly As In A Morning Sunrise、Chasin’ The Trane(Chasin’ Another Trane)、Spiritual
1963年 A(S)-42(Impressions)
初出曲 Impressions、India
初出は2テイク(累計5/22)
1977年 AS-9325(The Other Village Vanguard Tapes)
初出曲 Brasilia、Greensleeves
初出は6テイク(累計11/22)
1979年 IZ-9361-2(Trane’s Mode)
初出曲 Miles’ Mode、Naima
初出は6テイク(累計17/22)
1985年 MACD-5541(From the Original Master Tapes)
初出曲 なし
初出は2テイク(累計19/22)
1997年 IMPD 4-232(Coltrane – The Complete 1961 Village Vanguard Recordings)
初出曲 なし
初出は3テイク(累計22/22)
【ついでにフォト】
2008年 みなとみらい
(2021年1月14日掲載)