Equinox
(John Coltrane)
(17分1秒)
【この曲、この演奏】
1960年10月26日のアトランティックでのスタジオ収録で取り上げたこの曲ですが、ライブでの演奏が聴けるのはこのサザーランド・ホテルだけのようです。またアトランティックでの録音がアルバム「Coltrane’s Sound」に収録されて発売されたのは1964年6月のことなので、サザーランド・ホテルに集まった観客は初めて聴く曲だったのでしょう。演奏はドナルド・ギャレットが加わったダブル・ベースでのクインテット編成です。
ミディアム・テンポでのマイナー・ブルースが持つ気怠い世界を、コルトレーンがテナー・サックスで見事に表現しています。テーマとアドリブを交差させながらの6分半強のコルトレーンの演奏は、素敵なものです。
続くのはマッコイのピアノ・ソロで4分半ほどのものです。ここでベース2本が聴き取れます。そして突然にピアノ・ソロが終わり、ベース2本での演奏になっていきます。この展開の場面でエアチェックに問題が発生したのでしょう。
さてベース2本での演奏ですが、まだまだ試し演奏と感じる6分弱です。また途中でアナウンスが入るのも、少々の興醒めでした。そしてこの2本ベースでこの曲の収録が終わっていますが、これもエアチェックによる問題があってのことで、実際の演奏はもっと続いていたのでしょう。
【エピソード、もう一人のベースであるドナルド・ギャレット】
この曲だけに、ベースのドナルド・ギャレットが加わっている。その参加はこの夜だけであったのか、他の夜にも参加していたのかは不明である。またコルトレーンはドラマーをもう一人追加して、このサザーランド・ホテルで演奏していたらしいとのことだ。(資料07)
【ついでにフォト】
2015年 みなとみらい、横浜
(2022年12月29日掲載)