Blues To You (alternate take)
(John Coltrane)
【この曲、この演奏】
コルトレーン作となるこの曲のコルトレーンの演奏記録は、本セッションだけです。(資料07)
3テイクの録音となりましたが、全てにマッコイは参加していません。恐らくは即興で用意された曲なのでしょう。
-15 Blues To You (alternate take)(5分35秒)
この日の第二部は、やはりブルース・ナンバーへのトライアル・セッションと言えるのでしょう。そしてこの曲では、ピアノレスでの演奏、コルトレーンとエルヴィンがどのように絡み合っていくかの試しなのでしょう。この最初のテイクでは、コルトレーンの演奏に対してエルヴィンが間合いを確認しているような演奏です。
なお資料07によれば「Blues To Elvin」と同様に、「Promotional tape」にはこのテイク1には6秒間のリハーサルが収録されていたとのことです。
-16 Blues To You (alternate)(5分30秒)
この曲2度目の演奏は、テイク1とほぼ同様の内容です。
【エピソード、コルトレーンとネイマとハープ その1】
ある時、ため息をつきながらナイーマは言った。「あのひとと一緒に暮らしてゆくには、ミュージシャンとしての彼と、人間としての彼を区別しなければならなかった」
確かに、彼女はコルトレーンに音楽のことを忘れさせなければならない場合がたまにあったし、それは結構大変な仕事でだった。例えば、ある日のことだが、コルトレーンがハープを家に持ち帰り、リビング・ルームの片隅において、その気があれば習ってもいいんだよとナイーマに言った。
ナイーマは、内心ではハープを部屋の外に放り出してやりたいと思った。ときどき暇つぶしにピアノをいじることはあったが、ハープなんか習うものかと思った彼女は、はっきりと拒否した。その場はこれでおさまった。(資料01)
【ついでにフォト】
2005年 香港
(2020年9月8日掲載)