So What
(Miles Davis)
(10分25秒)
【この曲、この演奏】
前年の3月2日に行われたアルバム「カインド・オブ・ブルー」セッションで演奏されたこの「マイルス作の代表的モード曲(資料09)」は、マイルスのライブ定番曲になっており、このストックホルムでも演奏されました。
さてファースト・コンサート最初のこの曲は、謎めいた妖艶で重厚なテーマで始まり、マイルス、コルトレーン、そしてケリーの、それぞれ3分ほどのソロに入っていきます。マイルスは切れ味が光り、コルトレーンは骨太の重みがあり、ケリーはしなやかに身のこなしの、そんなソロが続きます。
再び、ベースとシンバルが重なる後テーマとなって、演奏は終わっていきます。
【エピソード、この音源発売】
私的なことを書く。
ジャズを聴き始めて数年経った1985年に、渋谷にあるジャズ盤専門店で、スウェーデンのドラゴン・レーベルから発売された二つのブートレグLPを買った。
DRLP 73 (Sonny Rollins Trio – In Stockholm 1959 – St Thomas)
DRLP 90-1 (Miles Davis & John Coltrane / Live in Stockholm 1960, 2 LP)
この2種類のLPは、私が新譜として購入したという意味での初めてのブートレグであった。そして両作品の内容の良さに圧倒され、擦り切れはしなかったけど何度も聴き返していた。学生生活の最後の時期の、思い出でである。
ロリンズのトリオでの演奏は、1959年3月4日のもである。そしてコルトレーン参加のマイルス・クインテットのものは、この1960年3月22日のものであった。
【ついでにフォト】
2005年 香港
(2023年5月25日掲載)