The Late Late Blues
(Milt Jackson)
(9分36秒)
【この曲、この演奏】
ミルト・ジャクソン作によるこのブルース・ナンバーを、本セッションの2曲目に持ってきました。コルトレーンの演奏記録は本セッションだけ(資料6)ですが、作者ミルトの演奏記録も本セッションだけ(資料8)です。恐らくは即興で用意した曲なのでしょう。
この曲名ですが、何故に「late」を重ねているのか、何か深い意味があるのかと考えましたが、「最新の収穫遅れのブルース」との意味かと思いながら、それでは意味不明だと自嘲した次第です。
さて演奏ですが、こちらは明快であり、ドライブ感が爽快なブルージーな演奏です。1曲目の演奏のぎこちなさを反省したのか、攻めに転じたミルト・ジャクソンがいます。それを受けて立つコルトレーンは、高音から低音までジェットコースターのように飛ばすような演奏です。これがミルトを始め、他のメンバーとも相性が良い展開を聴かせています。
プロデューサーの意図とは違う方向に進み始めたこのセッションの、面白味が感じられる演奏です。
【エピソード、共演メンバー】
本セッション参加メンバーとのコルトレーンの共演歴は、資料06によれば次の通りである。
ミルト・ジャクソンとの共演歴は9回となっているが、本セッション以外では1950年から1951年にかけてのガレスピーのもとでの共演であり、その中の幾つかの演奏は世に出ている。またこの中には、ミルト・ジャクソンがピアノも弾いたセッションが二つある。
ハンク・ジョーンズとコニー・ケイとの共演歴は、両者共に本セッションだけとなる。
因みにポール・チェンバースとの共演歴は90回ほどとなる。
【ついでにフォト】
2005年 香港
(2020年3月8日掲載)