If There Is Someone Lovelier Than You
(Dietz – Schwartz)
(9分21秒)
【この曲、この演奏】
前曲に続きシュワルル – デイーツによる曲ですが、資料14には掲載されておらず、恐らくはガーランドが“メモ長”から引っ張り出してきた曲なのでしょう。
コルトレーンの演奏記録は本セッションだけです。(資料6)
このカルテットはどんな曲でも味を出せる力を持っており、このミディアム・テンポで口ずさみたくなるタイプの曲でも、味わいのある演奏になっています。この隠れた曲に光を当てるメンバーの充実ぶりが、存分に楽しめる演奏です。
【エピソード、A.ブルームのインタヴュー、1958/6/15、その5】
(JC=ジョン・コルトレーン、AB=オーガスト・ブルーム)(資料04)
AB 基本的な部分では皆通じ合っているのだから、一つにまとまれるはずだと。
JC ああ、そうなるべきと思う。それが正しいあり方だ。人は学ぶことで、こういう人たちの“善”のとらえ方に触れられるというか。哲学者たちが(笑)、彼らが“善人”と“悪人”について語るとき、この“善と悪”という二つの言葉がどんどん一人歩きしていって、ものすごくややこしくなる。ところが、実際にはシンプルなことで、いくつかの本当の“善”をそこから取り出すだけでいい。何かを本当に理解しようとしたら、シンプルに考えようとしないと駄目だ。宗教もそうだと思う。宗教というのはとても素晴らしい。真理がある。一つになればきっとうまくいく。彼らの教えが善だと言えば、それが私にとって善になるというかね。
AB 本を読んでじっくりと知識を吸収し、それについて考えをめぐらせてみることで、人は何かが変わると思うかい? あるいは人生観みたいなものが?
JC まあ、自分自身は変わらないね。ただ、理解の助けにはなると思う。今までに比べて、少しだけ確信を持って歩けるようにはなるというか。迷いが少しだけなくなる。ただ、自分自身は変わらない。
【ついでにフォト】
2010年 ペナン、タイプーサム
(2020年2月1日掲載)