Two Bass Hit (take 1)
(J. Lewis – D. Gillespie)
(4分30秒)
【この曲、この演奏】
ガレスピー楽団時代のジョン・ルイスが作ったこの曲は、コルトレーンがマイルス・クインテットに参加して初めてのセッションであった、1955年10月26日に5回演奏されました。しかしながら、アルバム「ラウンド・アバウト・ミッドナイト」には収録されずに、1979年になって発売されたのでした。
アルバム「マイルストーンズ」制作の最初のセッションであるこの日にも、このジョン・ルイス作の曲が演奏されました。
さて演奏ですが、マイルスのとんがったハリのあるトランペットが印象に残るテーマであり、アップテンポのこのビバップが始まります。マイルスはソロを取ってなく、最初のソロは、これはコルトレーンかなとの演奏が始まり、すぐにコルトレーンらしさの演奏になっていきます。続くのは懸命に演奏するアダレイであり、その終盤にマイルスも加わり、エンディングへと向かっていきます。短いドラム・ソロを入れながらの、後テーマとなっています。
この曲はもう一度演奏され、そちらが本テイクとなりました。この最初の演奏も良さがあるのですが、本テイクと比べるたどたどしさを感じる演奏といえるのでしょう。
この演奏は2000年に発売されました。
【エピソード、本セッション】
1955年から1956年にかけてコルトレーンはマイルス・クインテットに在籍し、本格的なプロ・ミュージシャンとしての活動を始めた。しかしながらマイルスのお怒りなどがあり、1957年に入るとコルトレーンはマイルス・クインテットを離れた。その1957年のコルトレーンの活動はプレスティッジと専属契約を結び、自身のリーダー・セッションを含め10回ほどプレスティッジでレコーディングを行なった。一方でコルトレーンはモンクと活動を始め、リヴァーサイドでの4回のレコーディングと、そしてファイヴ・スポットへの長期出演をしたのであった。
そして1958年に入りコルトレーンは、再びマイルスと活動を行うようになった。リズム陣は以前と同じメンバーだが、そこにはアルト奏者のキャノンボール・アダレイがいたのであった。
この日のセッションでは4曲が演奏された。そに中の1曲はリズム陣だけでの演奏であったが、4曲ともにアルバム「Milestones…. Miles Davis」に収録された。3つある別テイクは2000年になり、「Miles Davis & John Coltrane / The Complete Columbia Recordings 1955-1961」に収録され発売となった。
【ついでにフォト】