Groove Blues
(Mal Waldron)
(9分33秒)
【この曲、この演奏】
引き続きマル作の曲で、全員参加で演奏しています。またコルトレーンもマルも、この曲の演奏記録は本セッションだけです。(資料06,08)
ウキウキのミドル・テンポのブルースですが、どうってことないテーマもこの5管で奏でると重量感と幅の広がりを感じる演奏になります。テナー2本、アルトとバリトン、そしてフルートが1本という構成の色彩が、この曲のテーマではいきています。
管楽器5人共にソロが用意されており、アモンズの存在感はさすがのものです。そしてコルトレーンは例の音の重なりに磨きがかかっていくかのものです。
【エピソード、1954年9月、ホッジス楽団を辞める】
週給250ドルと恵まれた収入をホッジス楽団で得ていたコルトレーンだが、ヤク中が理由でホッジス楽団には居られなくなった。仕事が無くなれば薬と酒にさらに溺れていき、そこに例の歯痛も厳しくなったが歯医者に行く金もなく、更に酒で誤魔化すとの日々であった。(資料01)
この時期のコルトレーンは、本当にどん底だったのであろう。資料06を眺めても、ホッジス楽団を辞めて翌年秋にマイルス・バンドに入るまでの1年間のコルトレーン演奏記録は、2回しかない。1954年12月31日のテッド・カーソンのバンドでのライブ、そして1955年冒頭のジミー・スミスのバンドでの演奏であった。
【ついでにフォト】
2008年 横浜、野毛
(2019年11月6日掲載)