Billie’s Bounce
(Charlie Parker)
(9分23秒)
【この曲、この演奏】
この曲はパーカーが1945年に書いた曲で、ビ・バップを代表する曲であります。資料14にはこの曲の代表的演奏として、パーカー以外では11人の奏者の演奏が掲載されています。そこにはこの曲を演奏して当然と思う方の他に、ユタ・ヒップやリー・コニッツ、そしてキース・ジャレットなどが含まれています。いろんなタイプの方に好まれた曲と言えます。
コルトレーンもガーランドも、この曲の演奏記録は本セッションだけです。(資料06,08)
テーマを演奏するこのクインテットは、本当にこの曲を楽しんでいる様子が伝わってくるもので、本セッションも好調に進むことを示しているものです。コルトレーンのソロには、技術に余裕も感じられるもの。続くバードは、元気溌剌。そしてガーランドはホーン二人が作った空気感をより一層膨らませる好演であります。飛び跳ねているジャズマン、素敵です。
【エピソード、本セッション】
4週間前と全く同様のメンバーでのセッション。本セッションでの5曲は、「ディグ・イット」と「ハイ・プレッシャー」という2枚のガーランド作品に収録されている。
資料06によると、コルトレーンはバードとともにガーランドのクインテットで、11月7日から20日まで演奏を行なっている。これはピーター・キープニュースの話をルイス・ポーターを通じて、資料06の編者が得た情報である。
マイルスやモンクとの共演で様々な面での向上を図ったこの時期のコルトレーンだが、このガーランドとの密な瞬間も、コルトレーンの音楽性の向上にとって重要なものだったと、私は感じる。それはこの二つのセッション(11/15,12/13)から発売されたガーランド名義の4つの作品の中に、感じ取れるものだ。
【ついでにフォト】
2005年 香港
(2019年10月11日掲載)