Our Delight
(Tadd Dameron)
(6分20秒)
【この曲、この演奏】
タッド・ダメロン作の典型的なバップ・チューンで(資料09)、コルトレーンの演奏はこのセッションだけです。ガーランドが準備してきたであろうこの曲ですが、ガーランド自身も記録上では本セッションでの演奏だけです。(資料08)
リーダーのガーランドが、コルトレーンとドナルド・バードの調子を確認するために、セッション冒頭にこの曲を持ってきたのでしょう。日増しに自信をつけてきているコルトレーン、多忙を極めている人気者バード、この二人の勢いの凄さをガーランドは感じたことでしょう。そんな二人に刺激されてのガーランドのソロも軽快なものですし、またその途中に入るコルトレーンとバードのバッキング・リフも楽しめるものです。
【エピソード、本セッション】
プレスティッジの稼ぎ頭の一人であるマイルスのバンドからは、コルトレーンも稼ぎ頭に加わって行くが、ガーランドもその一人に入っている。マイルスバンドを除いてもコルトレーンとガーランドは度々共演しているが、このセッションと12月13日のセッションの二つは、ガーランド好きの間では「ガーランドのマラソン・セッション」と呼ばれているようだ。
その初回である本セッションでは10曲を収録し、ガーランド名義の3つのアルバムで世に出ている。
またメンバーは両セッション共に同じだ。トランペットにはドナルド・バードが参加している。コルトレーンとドナルド・バードの共演記録は9回あるが、全てが正式スタジオ録音である。プレスティッジが5回、ブルー・ノートで2回、そしてベツレヘムで2回だ。本セッションでは5回目の共演、プレスティッジでは1956年5月7日のエルモ・ホープのリーダー・セッション以来2回目の共演となる。(資料06)
ベースにはプレスティッジで計4回の共演歴があるジョージ・ジョイナー、ドラムにはアート・テイラーが参加している。
【ついでにフォト】
2007年 みなとみらい
(2019年10月1日掲載)