Robbins’ Nest
(Jascquet – Thompson)
(15分34秒)
【この曲、この演奏】
資料09によればこの曲は「ディスクジョッキーのフレッド・ロビンズに捧げられた曲で、今ではスタンダード」とのことです。コルトレーンはここでの演奏記録しかない曲です。
フランク・ウェスのフルートが効果的に使われており、フンワカした気分で聴ける演奏です。フルートにテナーが応えていくアレンジなので、マルの手腕が存分に発揮されています。ウェスに応えるコルトレーンのテナーは、また一歩成長したように感じます。「コルトレーンは、軽くキー(Dフラット)慣らしをして、新鮮で説得力ある言葉を見つけていく」と、資料11上手い表現で書かれています。
【エピソード、当時のコルトレーンの演奏について】
「われわれが音楽学校でチャーリー・パーカーに出会う日まで、コルトレーンは口を開くとジョニー・ホッジスのことばかり話していた。バードに出会って以来、ジョンはときどき姿を消すようになった。二週間も見かけないことさえあった。そして、ふらりと帰ってきたかと思うと、いつも何か新しいことを始めていた。今回はアルトをぶらさげ私の家に押しかけ早速演奏し始めたが、そのサウンドはもはやジョニー・ホッジスというよりチャーリー・パーカーに近かった。彼はホッジスを卒業し、そのかわりにバードを発見したのだ」 ベニー・ゴルソン
「エディ・クリーンヘッド・ヴィンソンのバンドでテナーを演奏した時以来、私の聴覚範囲はそれまでより広くなった。アルトの場合は、バードの影響を全面的に受けていたが、テナーには、アルトのチャーリーのような支配力をもった人間は一人も見つからなかった。そこで私は、その時期に聴いたテナー奏者のそれぞれから学んだが、とくにレスター・ヤングの調子の美しいフレージングに学ぶところが大きかった。その後、コールマン・ホーキンズを知り、そのアルペジオと演奏法にすっかり魅惑されてしまった。ボディ・アンド・ソウルのレコードを買い、音楽的に成熟するにつれホーキンスのよさがますますわかるようになった」 ジョン・コルトレーン
以上は資料01からの引用で、1947年頃の発言だと思う。
【ついでにフォト】
2009年 みなとみらい
(2019年9月29日掲載)