Sonny’s Crib (take 1)
(Sonny Clark)
(13分27秒)
【この曲、この演奏】
クラークのセンスが光るハード・バップ魂のこの曲、コルトレーンの演奏記録は本セッションだけ(資料07)です。作者のクラークの演奏記録といえば、1960年のトリオで演奏したタイム盤が有名なところです。
さて演奏ですがテーマの後に、俺のファンキーな演奏はどんなもんだ、との意気込みのコルトレーンのソロが先発となります。ファンキーなコルトレーンも素敵なものです。ソロはフラー、バード、クラーク、そしてチェンバースへと続いていきます。それぞれ長尺なソロとなっており、そして入魂の演奏となっており、ハード・バップ期の人気作品のタイトル曲だけのことはある演奏となっています。
クラークのソロは余裕感あるものですが、これはこれで良いものと言えるのでしょう。
このテイクが人気盤「ソニーズ・クリブ」に収録されました。
【エピソード、ソニー・クラークとの共演】
コルトレーンとソニー・クラークの共演は、資料07によれば本セッションだけだ。ブルー・ノートの看板ピアニストであるソニー・クラークなので、他のレーベルに属しているミュージシャンとの共演は少なくて当然なのであろう。
ソニー・クラークのこのリーダー・セッションで、コルトレーンが呼ばれた経緯については定かではない。ブルー・ノートのソニー・クラークで、ホーン・セクションを入れての演奏といえば、本セッション前には7月にアルバム「ダイアル・S・フォー・ソニー」の録音を行なっており、そこではアート・ファーマー(tp)、カーティス・フラー(tb)、そしてハンク・モブレー(ts)である。
プロデューサーのアルフレッド・ライオンは、雰囲気を変えてホーン・セクション入りのセッションを、ソニー・クラークに用意したのではと、私は思う。
【ついでにフォト】
2011年 ペナン、マレーシア
(2022年1月31日掲載)