Vodka
(Mal Waldron)
(9分7秒)
【この曲、この演奏】
蒸留酒のウォッカを曲名にしたこの曲は、コルトレーンも作者のマルもこのセッションだけの演奏記録です。(資料06, 08)
資料09によればこの曲は「複雑なテーマで始まる」とのことですが、私には聴き覚えがある悲しさのスタンダードのように聴こえます。こんな場面では、この時期のコルトレーンは主役級の演奏であります。またクィニシェットはレスター直系のスタイルを貫いいており、それはそれで大したものです。趣の違う二人のテナー奏者の演奏を興味持って楽しめるか否かで、本セッションに対する評価が分かれるのでしょう。私はそれを心置きなく楽しみ、マルの活躍があれば更に良いのになと感じました。
【エピソード、フィラデルフィアでのコルトレーン、1946年】
パーカーやガレスピーはビ・バップに力を入れていたが、一般にはジャズはまだまだ踊るもので聴くものではなかった。一般の黒人ミュージシャンが部屋代と食事代を得るためのは、リズム・アンド・ブルースしか選択肢がなかった。
コルトレーンはキング・コラックスやジョー・ウェッブのバンドで仕事をしていた。そのときのオルガン奏者はシャーリー・スコットやジミー・スミスであった。歌はビッグ・メイベルなどが歌っていた。メイベルはコルトレーンの大好きで、彼女はコルトレーンにいつでも協力して欲しいと頼んだほどである。
このようにリズム・アンド・ブルースで収入を得ながら、一方でコルトレーンはオルスタインのマイク・ゲラの下で再び勉強を続けるようになった。
(資料01より)
【ついでにフォト】
2006年 香港
(2019年7月2日掲載)