Oleo
(Sonny Rollins)
(5分59秒)
【この曲、この演奏】
ロリンズ作のこの曲ですが、コルトレーンはマイルス・グループで何度も演奏しており、公式発売では次の2つがあります。
1956年10月26日(リラクシン)
1958年9月9日(アット・ザ・プラザ)
ライブでも何度か演奏されており、この1957年2月23日のピーコック・アレイなどがブートレグ発売されています。
そしてコルトレーンは、1958年11月にジュビリーでのレイ・ドレイパーとのセッションんで、この曲を演奏しています。
さてピーコック・アレイでの演奏ですが、アップテンポで切れ味抜群のリズム陣の演奏に、マイルスがトランペットで曲に加える感情が見事に絡み、聴き入る2分弱となっています。しかしこれに続くコルトレーンのソロは、浮ついている感じがあり、及第点と言ったとところでしょう。ピアノ・ソロがあり、再び素晴らしいマイルスの演奏に戻っていきます。
なおこのピーコック・アレイでの演奏の最初のブートレグ発売となった、Jazz Factory と Soulard のCDでは、この曲を「Airegin」とクレジットしています。これは演奏前のBurksの曲紹介が、「Airagone」となっていることからの誤表記です。(資料07)
【エピソード、ダウンビート誌1958年10月16日号 その11 最後】
1950年代初頭に感じていた底知れぬフラストレーションが消え去ったことを確信した今、コルトレーンは、より寛大な規範に従って行動しようと努めている。彼がざっと説明する。
「聴き続けること。そして自分を過大評価しないこと。さもないと他人のプレイに耳を貸さなくなる。清廉に暮らし、善をなし、人として成長できれば、プレイヤーとしても成長できる。それが我々自身に課された使命なんだ」
八歳になる娘がいる夫、コルトレーンは、自身の音楽に対する責任と人生への責任を、苦しむことなく果たしたいと願っている。その理由を彼はこう語る。
「音楽は、強い感情を秘めた表現手段だ。ジャズはかつてハッピーで楽しいものだった。だから私もハッピーで楽しくプレイしたいんだよ」
ダウンビート誌、一九五八年十月十六日号、16-17ページより(資料04)
【ついでにフォト】
2005年 香港 (2023年4月26日掲載)