Woody’n You
(Dizzy Gillespie)
(4分58秒)
【この曲、この演奏】
ガレスピー作のビバップの名曲ですが、マイルスの元でのコルトレーンの演奏といえば、何と言っても1956年5月11日のマラソン・セッション前半での演奏となることでしょう。
それの3か月前には、パサデナでのライブ演奏が公式発売されています。
マイルスの元を離れてのコルトレーンのこの曲と言えば、1957年11月15日のプレスティッジのものが知られており、ガーランドのアルバム「ソウル・ジャンクション」に収録されています。
さてピーコック・アレイでの演奏ですが、ガーランドの軽快なピアノから入り、マイルスのトランペットでテーマ演奏となり、そのままアドリブとなります。高速で流れるトランペットは、気持ちの良いものです。その後にコルトレーンがソロを取り、コルトレーンなりの高速演奏を披露しています。演奏は再びトランペットとなり、ドラムスとの掛け合いを挟んで、テーマとなって演奏は終わっていきます。
【エピソード、録音年月日】
ほぼ同時期に発売されたと思うブートレグCD2種(Jazz FactoryとSoulard)共に、収録したピーコック・アレイでの演奏は、1956年7月14日と21日としている。確かにこの両日ともに、コルトレーン参加のマイルス・クインテットはピーコック・アレイに出演していた。
しかし識者の調査により、演奏日は1957年2月16日と23日だと判明し、その後に発売されたこの音源収録のブートレグCDでは、この1957年2月16日と23日とクレジットされている。
この識者の調査内容は資料07にあるが、ポイントとしては本当にラジオ放送されたのかということだ。
ポイントは、ブートレグ発売されているエアチェックは、Jesse “Spider” Burks 司会のものだ。確かに1956年7月14日と21日にラジオ局KXLWから、マイルスのピーコック・アレイの演奏が放送された可能性がある。そしてJesse “Spider” BurkはKXLWに所属していた。しかしJesse “Spider” Burkはラジオ局KXLWから1956年7月11日にクビとなっていた。
1957年2月16日と23日の演奏は、ラジオ局KSTLから放送された。そしてJesse “Spider” Burkは1956年8月にKSTLに採用されていた。
識者の調査によって明らかになったこの事実から、ブートレグCDに収録された、Jesse “Spider” Burk司会のピーコック・アレイからのラジオ放送は、1957年2月16日と23日と判明されたのだ。
【ついでにフォト】
2005年 香港
(2023年4月21日掲載)