Sweet Sue, Just You (take 11)
(Will J. Harris – Victor Young)
(3分38秒)
【この曲、この演奏】
バーンスタイン監修アルバム向けのこの曲のレコーディングも、11回目の演奏となります。
テイク8での演奏を基準にして、それを磨き上げていった演奏となっています。まずマイルスのミュートから入る出だしに、切れ味の良さがあります。続くマイルスのソロには刺激的な趣を加えたものとなり、それに続くコルトレーンとガーランドのソロには不良っぽさが加わったものとなっています。
今までのテイクと大きく変えたのが、終盤です。それまでのテイクではマイルスが後テーマを吹きながらアドリブも入れ、そこにコルトレーンが僅かに絡んでいくとのものでした。それがこのテイクではマイルスが再びのソロを取り、そこにコルトレーンが絡み、その最後にテーマを演奏しているとのものです。
このフル・ヴァージョンは1973年になってから世に出ました。
バーンスタイン監修の「What Is Jazz」に収録され、1956年10月15日に発売されたものは、手が加えられたものでありました。二度目のマイルスのソロの途中の、演奏時間では3分9秒ほどのところからバーンスタインのナレーションが被され、さらに最後はフェイドアウトし、特に最後の2秒ほどは切られているとの内容です。
【エピソード、バーンスタイン監修アルバムについて】
コロンビアから「What Is Jazz」というアルバムが、1956年10月15日(資料07)に発売された。クラシック界の有名指揮者であり、音楽の各分野に造詣の深いレナード・バーンスタインが監修とナレーションを務めている。
第一部は「Type of Jazz(ジャズのタイプ) – Jazz Elements(ジャズの要素)」とのタイトルのもとで、いくつもの演奏の一部を収録しながら、バーンスタインのナレーションによる解説を中心にした内容である。
第二部は「Popular Song(ポピュラー・ソング)- Improvisation(即興演奏)」との題で、「Sweet Sue, Just You」を4つの楽団やバンドで演奏したものを収録している。バック・クレイトン楽団、ボイド・レイバーン・オーケストラ、ドン・バターフィールド六重奏団(アレンジとテナー・サックスはテオ・マセロ)、そしてマイルスのクインテットである。もちろんマイルスのものは、この1956年9月10日に収録されたものだ。
【ついでにフォト】
2009年 みなとみらい、ラ・マシンによるクモ
(2021年12月27日掲載)