Trane’s Strain
(Curtis Fuller)
(11分1秒)
【この曲、この演奏】
この曲の作者について、資料07ではカーティス・フラーとなっている。コルトレーンが作った曲としているものもあるようだ。またこの演奏が1956年に発売された際には、曲名が「Train’s Strain」となっていた。どちらの曲名にしても、コルトレーンの演奏記録は本セッションだけである。
さて演奏ですが、熱量豊かな三管の音の重なりによるテーマで、陽気なミディアムテンポのブルース・ナンバーが始まります。ソロは、フラー – コルトレーン – アダムス – アレキサンダー – チェンバース – フィリー・ジョーと続いていきます。管楽器の3人は、気軽に力強く楽しんでいる演奏となっています。サックス奏者のアレキサンダーがピアノを弾いていますが、確実に演奏しようとの思いが伝わる内容です。チェンバースはアルコでソロを弾き始め、後半はピッチ・カートとなり、どちらも重量感ある音を聴かせています。フィリー・ジョーのドラムス・ソロは他に比べると短めの演奏となっています。
全体を通して言えば、若さの熱気が伝わる演奏ですが、アレンジにひと工夫あればなと感じました。
【エピソード、収録した3曲の発売について】
この日のセッションで収録された3曲の中で、「Trane’s Strain」はトランジション・レーベルから1956年秋に発売された。オムニバス・アルバム「Jazz In Transition」に収録されており、リーダー名はクレジットされていない。
残りの2曲を含めて3曲全てが、1975年になってからブルー・ノートから発売された。BNLA 451-H2との規格番号で、「Paul Chambers – John Coltrane / High Step」とのアルバム名であった。そこでの録音日は1955年4月20日或いは1955年11月となっていた。
その後にCD時代に突入し、この3曲はいくつかのCDの追加曲として発売されていくことになった。
私がこの3曲に初めて接したのは、2000年に発売されたポール・チェンバースのジャズ・ウェスト盤「チェンバース・ミュージック」のC Dに追加収録さたものであった。
【ついでにフォト】
2005年 香港
(2021年12月16日掲載)