19560218-03

Walkin’
(Richard Carpenter)
(10分2秒)



【この曲、この演奏】
 「12小説のブルースを一躍有名にし、スタンダード化に寄与したのはマイルス・デイヴィス」(資料09)とのこの曲ですが、コルトレーンの演奏記録もマイルス・バンドでのライブ演奏が並んでいます。記録があるもので言えば、その最初がこのライブであり、以降1960年まで他に7回の演奏記録があります。その中で公式発売となっている演奏は、このライブだけです。またコルトレーンのリーダー・セッションでもこの曲を演奏したことがあり、それは1960年3月28日のデュッセルドルフでのライブでした。(資料07)

 さて演奏ですが、始めと最後のテーマ演奏では、打ち合わせ不足かなと感じるものがありました。ソロは、マイルス – コルトレーン – ガーランド – チェンバース と続きます。マイルスは豊かな表現力、コルトレーンはリラックスしたフレーズ、ガーランドはからやかな演奏からブロック・コードで会場をもありあげ、そしてチェンバースの粘りあるピッチカートを楽しめるものです。ただし各演奏の後の拍手を聞けば、マイルスへの拍手の大きさが際立っていました。知名度からして当然のことですが、4人の中でのコルトレーンへの拍手の小ささが気になりますが、これがこの時点での世間の評価なのでしょう。




【エピソード、2005年のCD発売元について】
 2005年に発売された2枚組CD「 ‘Round About Midnight – Legacy Edition」の発売元は、コロンビア・レーベルを所有している、Sony BMG Music Entertainment であった。そして 「Originally Recorded 1956 & Released 2005 GNP Crescendo Records Inc.」とも併記されている。

 GNP Crescendo Records は、この1956年2月18日のライブを主催したジーン・ノーマンが1954年に設立したレコード会社で、今でも活動している。このライブ演奏が GNP Crescendo Records からも発売されているのかと思いネットで調べたが、その形跡は見当たらなかった。

 GNP Crescendo Records から発売していればこのレーベルの目玉商品となったと思う。なぜそうならなかっただが、私の推測では契約の問題であろう。

初収録アルバム

【ついでにフォト】

2004年 香港 維多利亞港

(2021年11月26日掲載)