19551026-29

Budo (master)
(Bud Powell – Miles Davis)
(4分12秒)



【この曲、この演奏】
 テイク1からテーマ演奏、テイク8から各ソロ・パート、そしてテイク1(もしくは2、或いは8)から終わりの部分、この3つを繋げて、この曲のマスターテイクが編集されました。それはアルバム「ラウンド・アバウト・ミッドナイト」には収録されませんでしたが、1957年発売のオムニバス・アルバムに収録されました。

 その演奏をテイク1と比べますと、マイルスのミュート・トランペットの音の輝きが増しています。これはマイルスの気合い、或いはマイク・ポジションの変更なのでしょう。コルトレーンのソロは、洗練されているとも言えますし、面白みが少なくなったとも感じました。やたらと積極的な後テーマでのコルトレーンも印象に残ります。全体的に言えば、テイク1と比べれば上品な仕上がりといったものでした。



【エピソード、1957年発売のジャズ・オムニバス】
 コロンビアから1957年にアルバム「ジャズ・オムニバス」が発売された。ジャケットはカラー・イラストで、毛皮をまとったご婦人がトランペット・ケースらしきものを持って、ジャズ・クラブに入っていく場面が描かれている。収録されているのは、サッチモやエリントン、デイヴ・ブルーベックやジャズ・メッセンジャーズである。そしてそこにマイルスがこのセッションで演奏した「Budo」が収録されている。

 「マイルス作品の蒐集家、コルトレーン作品の蒐集家の注目作品!」となるはずのアルバムだと思うが、私の知る限りでは、少なくとも日本のコルトレーン作品蒐集家の間では、話題となることがなかったアルバムである。

 理由としてはアムニバス・アルバムということ、そして音源自体は1973年と1979年発売のマイルスのベスト盤に収録されていたからであろう。

 いくつかのネット上のオークション・サイトに、アルバム「ジャズ・オムニバス」が掲載されている。お手軽な価格ということもあり、収集欲がわいてくる。

収録アルバム

【ついでにフォト】

2008年 みなとみらい、横浜

(2021年11月23日掲載)