Two Bass Hit (take 1)
(J. Lewis – D. Gillespie)
(3分17秒)
【この曲、この演奏】
ガレスピー楽団に入ったジョン・ルイスが1947年に作った曲です。(資料14)ガレスピー楽団の重要曲になっていくこの曲ですが、ジョン・ルイス単独でクレジットされる場合と、ガレスピーとの連名でクレジットされる場合がある曲です。
コルトレーンの演奏記録という意味では、本セッションを含めて6回あり、その中の5回はマイルス・バンドでの演奏です。本セッションが最初の演奏であり、二度目は1957年2月23日のライブで、ブートレグで発売されています。三度目は1958年2月4日のスタジオ・セッションで、アルバム「マイルストーンズ」に収録されています。四度目は1958年5月17日のライブで、ブートレグで発売されています。五度目は1958年7月3日のニューポート・ジャズ・フェスティヴァルでの演奏で、アルバム「マイルス&モンク・アット・ニューポート」で発売されました。
残りの1回はレッド・ガーランド名義でのプレスティッジのスタジオ・セッションで、1957年12月13日にヴァン・ゲルダー・スタジオで行われ、アルバム「ディグ・イット」で発売されました。
このセッションでは5回の演奏が行われました。ここではその最初の演奏を取り上げます。
ビバップ特有のリズミカルなアレンジの中で演奏が始まっていき、ソロをとるのはコルトレーンだけです。この初ソロは、固さがあるとも感じるし、コルトレーンは楽しんでいるかなとも感じる場面があるものです。そのソロ終盤でマイルスがトランペットを重ねていくのですが、そこには貫禄の違いを感じます。
この演奏は2000年に世に出ました。
【エピソード、本セッション】
マイルスが気合を入れて取り組んだコロンビアでの初作品となるアルバム「ラウンド・アバウト・ミッドナイト」向けの、最初のセッションが本セッションである。マイルス・バンドに誘われたことから始まるコルトレーンの実質的なプロ活動の、最初の演奏である。
5曲が演奏されたが、リズム陣だけの演奏が1曲ある。アルバム「ラウンド・アバウト・ミッドナイト」に収録されたのは「Ah-Leu-Cha」だけであり、「Two Bass Hit」は1979年発売のアルバム「サークル・イン・ザ・ラウンド」、「Little Melonae」は1973年発売のアルバム「ベーシック・マイルス」で、そして「Budo」は1957年発売の「ジャズ・オムニバス」に収録されて発売された。
【ついでにフォト】
2008年 みなとみらい、横浜
(2021年11月17日掲載)