Two Bass Hit
(Gillespie – Lewis)
(8分49秒)
【この曲、この演奏】
アル・ヘイグの後を受けてガレスピー・バンドのピアニスト兼アレンジャーとなったジョン・ルイスが書いた曲で、「ワン・ベース・ヒット」に呼応した曲です。ガレスピー・バンドは勿論のこと、マイルスやソニクラの良い演奏を行った曲です。(資料14)
この曲のコルトレーンの演奏記録は5回あり、本セッションの他の4回はマイルスバンドでのものです。1955年10月のラウンド・ミッドナイトのセッション、1958年2月のマイルストーン・セッション、1958年5月のカフェボヘミアでのライブ、そして1958年7月のニューポート・ジャズ祭での演奏です。カフェボヘミアを除いての3回のマイルスバンドでの演奏は、正式盤で世に出ています。(ラウンド・ミッドナイトのセッションの演奏は、別のアルバムで世に出ています)(資料06)
ガーランドも何度かこの曲を演奏していますが、コルトレーン同様に本セッション以外はマイルスの元での演奏です。(資料08)
さて演奏ですが、リズム陣の粒立ち鮮やかな演奏です。特にテイラーの切れ味が印象に残る演奏です。爽快なホーン陣もなかなかであり、特にドラムの切れ味に乗って飛ばすコルトレーンには、後年の姿を予感させるものがあります。
【エピソード、リードを試す、1957年10月】
資料12に、帽子姿のコルトレーンがテナー・サックス用のマウスピースを眺めている写真、そしてそれを吹いて試している写真が掲載されているページがある。そこにはこう書かれている。
ブロードウェイの52丁目のバードランドにほど近い所に、「Vibrator(ヴァイブレイター)」と言うリードの会社がある。モンクとのファイブ・スポット・ギグのさ中、新しいサウンドを求めて、リードやマウスピースの研究にも余念の無かったコルトレーンは、そこを訪れ色々なリードを試している。オシャレなハットが珍しく、ほほえましい。
先の2枚の写真はマルセル・ザニーニが1957年10月27日頃に撮影したとのことだ。
またこのページには、1990年9月24日に藤岡氏がアリス・コルトレーン邸で撮影した、コルトレーンが使用したマウスピースの数々の写真がある。コルトレーンの熱心さが伝わる写真だ。
【ついでにフォト】
2005年 香港
(2019年10月28日掲載)