Birks’ Works
(Dizzy Gillespie)
(7分34秒)
【この曲、この演奏】
ガレスピーの代表曲であり、ビ・バップの代表的な曲でもあります。
1951年作であり、この時期にガレスピーのコンボに在籍していたコルトレーンは何度もこの曲を演奏しており、資料06に記録されているだけでも1951年に4回の演奏があります。セプテットで2回、オクテットで2回演奏しており、その演奏は正式盤を含めて世に出ました。ガレスピーの元を離れてからのコルトレーンのこの曲の演奏記録は、本セッションだけです。(資料06)
ガーランドはこの年の初めに、ペッパーの「ミーツ・ザ・リズムセクション」でこの曲を演奏し、そして本セッションと、2回の演奏記録があります。(資料08)
さて演奏ですが、ビ・バップの曲の彩りを残しながらハード・バップの粘りを加えた演奏です。またコルトレーンにしてみれば、ガレスピーのバンドで繰り返しこの曲を演奏していた時期からの6年間を感じているような演奏です、と言うのは聴き手の勝手な妄想なのでしょうか。
聴きごたえある演奏です。
【エピソード、ガレスピーのビッグバンドの解散】
ガレスピーとコルトレーンが神秘の世界について話していると、ジェスが丁度良いタイミングで「飲みに行こうぜ、ジョン」と言い、上手にこの話に結論を出していた。
ジェスとコルトレーンはジョニ黒党であり、一口飲んでタバコを一本か二本吸い、またグラスに口をつける飲み方であった。
また猛練習に励むコルトレーンを悩ますのは、例の歯痛であった。でもそれもまだこの時期は、ジョニ黒をがぶ飲みすれば対処できていた。
ガレスピーのビッグバンドは、やはり経済的に苦労していた。楽旅の交通費の支払いだけでも大変であった。何しろ、ベイシーでさえ1950年に入ると、6人編成のコンボに縮小していたほどだった。
1950年のクリスマス・イヴにガレスピーはミュージシャンを集めて、その週が終わって新年になったら「これでお終いだ」と言い渡した。
【ついでにフォト】
2008年 みなとみらい
(2019年10月8日掲載)