Violets For Your Furs
(Dennis – Adair)
(6分16秒)
【この曲、この演奏】
「エンジェル・アイズ」と並ぶマット・デニスの代表曲であり名曲です。(資料14)
作者本人の演奏やシナトラの歌などでも有名な曲ですが、何と言っても本セッションでのコルトレーンの演奏により有名になった曲です。
コルトレーンの数多いバラッドの名演の中でも、ここでのこの曲の演奏は初期の名演として語られております。しかしながらコルトレーンのこの曲の演奏記録は、本セッションだけであります。
さてカルテットで演奏された本曲は、よく使われる表現で言うならば、抒情詩的な演奏となっています。とにかくコルトレーンのメロディを大切に演奏する姿は、その音色と共に人々の記憶に残るものになっていきました。ガーランドもコルトレーンの姿を引き継ぎながらも、自分の個性を発揮していく演奏です。
【エピソード、各資料からこのセッション】
資料11では、本セッションの元となったコルトレーンのプレスティッジとの契約について、次のように書かれている。
「それまでコルトレーンに一目置いていた訳ではなかったリバーサイドのオリン・キープニュースは、4月中旬のモンク・セッションでのコルトレーンの演奏を聴いて、感心した。その夜にキープニュースはコルトレーンに契約状況を聞いたところ、3週間前にプレスティッジと契約し、とのことだった。キープニュースはこれを聞いて、非常にがっかりしたとのことだ」
他にもキープニュースの話として、ブルーノートがプレスティッジにコルトレーンとの交渉権を譲った、とのことが書かれている。
【ついでにフォト】
2008年 みなとみらい
(2019年7月8日掲載)