Mating Call
(Tadd Dameron)
(5分36秒)
【この曲、この演奏】
タッド・ダメロン作のこの曲は、コルトレーンの録音は本作品だけです。本セッションで録音されたダメロン作の全6曲、コルトレーンは本セッションだけでの演奏記録となっています。(資料06)
ダメロンは作曲と編曲に定評がある方で、この曲は異国情緒あるものです。
その演奏ですが、ワン・ホーンでのコルトレーンの、気がみなぎっている演奏が印象的です。フィリー・ジョーの出だしでのシンバル、そして曲の印象を深めるダメロンのリフも素敵なものです。ここにリーダーのダメロンの好演が加わっていれば、より印象的なものになったことでしょう。
【エピソード、この日のセッションについて】
コルトレーンにとっては、この日のセッションがプレスティッジでの7度目のセッションとなり、そしてプレスティッジで初のワン・ホーンでのレコーディングとなる。
このレコーディングはピアノのタッド・ダメロンがリーダーであり、コルトレーンとダメロンの共演記録は本セッションだけだ。またベースのジョン・シモンズは1930年代から活動しており、ダメロンのバンドで演奏していたので、その関係で本セッションへの参加となったのであろう。当然ながらコルトレーンとの演奏記録は、本作品だけだ。
全6曲がダメロン作なのですから、本作のリーダーはダメロンで揺るがないし、プレスティッジは「Mating Call」(LP7070)とのタイトルでダメロンの作品として発売した。しかし1960年代になると、同タイトルながら「John Coltrane With Tadd Dameron」(LP7247)とのクレジットで本作を発売したのだ。
【ついでにフォト】
2006年 香港
(2019年3月9日掲載)