When Lights Are Low
(Carter – Williams)
(7分31秒)
【この曲、この演奏】
ベニー・カーター作のこの曲は、このマイルス・バンドの演奏で知られるようになりました。
コルトレーンの演奏記録は本セッションだけであり、マイルスも1953年との2回だけです。
さて演奏ですが、陽気にのびやかなこの曲を、マイルスのオープン・トランペットとガーランドのピアノは曲と自身のスタイルの特徴を活かした良い演奏をしています。一方でコルトレーンの演奏ですが、何て表現して良いのかわからないような感じを受けました。この辺りは立て続けにリハ無しでのマラソン・セッションの難しさだったのでしょう。
なお前曲の「Tune Up」とメドレーで本曲は演奏されています。
【エピソード、ボブ・ワインストックの誤解】
この曲が収録されている、「ing四部作」で最初に発売された「Cookin’」の裏ジャケには、この曲が「Just Squeeze Me」とクレジットされている。これは単なる誤植ではなく、ボブ・ワインストックはこの「When Lights Are Low」が「Just Squeeze Me」と思っていたのである。
資料06にこのセッションでの、ボブ・ワインストック手書きのログ・ブックが掲載されている。6穴バインダー手帳に手書きで曲名を書いてあるものだが、そこには「Tune Up」と「Blues By 5」の間の曲として、「Just Squeeze Me」と書かれている。
確かにこの2曲は、テンポと曲調は同じ趣がありますが、それを言い出したらプレスティッジは曲名間違いのてんこ盛りになってしまう。このログ・ブックだけでの間違いならば勘違いで納得できるが、商品としてよに出す時にも間違えているので、本当にこの演奏している曲は「Just Squeeze Me」だと信じていたのであろう。ボブ・ワインストックほどの人がと思うが、その理由は確かめようもない。
【ついでにフォト】
2005年 香港
(2019年3月7日掲載)