Mr. P.C.
(John Coltrane)
(7分17秒)
【この曲、この演奏】
2月10日で見事な演奏を行なったこの曲が、一週間後のバードランドでも演奏されました。
コルトレーンがテナー・サックス、ドルフィーがアルトでテーマを演奏し、すぐにコルトレーンの3分ほどのソロとなります。続いてはドルフィーが2分半ほどのソロ、そしてコルトレーンとエルヴィンの掛け合いがあり、再びコルトレーンとドルフィーでテーマとなって演奏は終わります。
一週間前よりも、コルトレーンとドルフィーの演奏時間を伸ばし、ピアノ・ソロはカットして、演奏時間をコンパクトにした内容です。どちらが良いと思うかは聴く人によりますが、私はマッコイの圧巻の演奏が光っていた2月10日の演奏の方が好きです。
【エピソード、ステージ上の5人 その1】
エリックがまだバンドにいた時、ステージの五人は、実にはっきりした視覚的好対照を見せていた。
ジョンは、かなり前かがみになって演奏し、普段のきちんとした姿勢とは別人のごとく、楽器と体を大きくゆすり、まるで自分の音楽に合わせて踊っているように見えた。座高の高いエルヴィンは、ドラムの向こうで汗を流し、奇声をあげ、死に表情は筆舌につくし難いほどのゆがみ方で、あれは悪魔以外の何者でもないと断言する人までいたくらいだ。マッコイは、上体を直角に折り曲げてピアノにかがみ込み、頭と鍵盤がキス寸前といった格好。ジミーは、スプリビーから愛情を込めて「ポケット瓶」と呼ばれたほどの小男で、自分のベースよりたっぷり二〇センチは小さく、ほとんどベースにかくれて見えなかったが、どういうわけか時々、ベースのかげから顔を出してニッと笑った。(実はこのジミー・ギャリソンは、エルヴィンの悪影響で麻薬に手を出していた。エルヴィンは、トレーンとの約束なんぞ忘れて、相変わらず音楽よりヘロインにうつつを抜かしていたのである)
(資料01より)
【ついでにフォト】
2006年 ペナン、マレーシア
(2023年1月23日掲載)