Mr. P.C.
(John Coltrane)
(10分58秒)
【この曲、この演奏】
エリック・ドルフィーが参加しての、1961年11月上旬のヴィレッジ・ヴァンガード、そして11月中旬からの欧州ツアーでは、この曲は演奏されませんでした。
さて演奏ですが、コルトレーンのテナーとドルフィーのアルトで、テーマを刺激的に演奏していきます。すぐにコルトレーンのソロとなり、その後にドルフィーのソロへと続き、共に2分弱の演奏です。演奏はマッコイの4分弱のピアノ・ソロとなり、コルトレーンとエルヴィンの掛け合いがあり、コルトレーンの再びのソロとなり、ドルフィーが加わって後テーマとなっていきます。
最初のコルトレーンのソロはメンバーを、特にドルフィーを鼓舞するような激しいものです。そしてドルフィーはそれに対して激しさで対応しており、聴きごたえのあるものです。
しかしこの演奏で特筆すべきは、マッコイのソロでしょう。コルトレーンとドルフィーの演奏を引き継ぎ、ジャズの神様が舞い降りたマッコイが激しく弾きまくる4分弱は、圧巻のものでした。
【エピソード、コルトレーンとドルフィーの共演歴】
この二人の共演歴については、次の4つに分類される。
その1 1961年5月下旬から6月上旬でのレコーディング
コルトレーンのインパルス!での初レコーディングは、大編成でのアルバム「アフリカ/ブラス」制作であり、5月23日と6月7日に行われた。その中間の5月25日にはアトランティックでの最後のレコーディングであるアルバム「オレ」を録音した。この3日間にドルフィーは参加していた。(アトランティックへは変名での参加)
その2 1961年10月から11月へのヴィレッジ・ヴァンガードへの出演
11月1,2,3,5日の4日間に渡りライブの模様が録音された。
このヴィレッジ・ヴァンガード出演までに、コルトレーンとドルフィは、7/24から29までフィラデルフィアのショウボートに出演しており、私家録音が残っているようだ。(資料07)
また8月にはヴィレッジ・ゲイトに出演し、その演奏が2013年7月に発売されるとのことだ。
その3 1961年11月11日から12月4日までの欧州ツアー 22日間31公演+TV収録
その4 1962年1月から3月のアメリカでのライブ
1月2日から14日 ジャズ・ギャラリー, N.Y.
1月16日から21日 マイナー・キー, Detroit
2月8日から21日 バードランド, N.Y.
2月24日 カウフマン・コンサート・ホール, N.Y.
2月26日から3月3日 ショウボート, Philadelphia
この中で演奏が聴けるのは、資料07や私が知る限りでは、2月10日と17日のバードランドだけである。
【ついでにフォト】
2004年 香港
(2023年1月19日掲載)