Vierd Blues
(Miles Davis)
(16分10秒)
【この曲、この演奏】
この曲については、3つの曲名で呼ばれることがあります。1956年3月2日にジャズ・ウェストでのセッションで演奏された際には、「John Paul Jones」との曲名で、作者は D.Shapiro – M. Pascal – P. Charing となっていました。次にコルトレーンは参加していませんが、1956年3月16日にマイルスがロリンズなどと行なったセッションでは、マイルス作の「Vierd Blues」とクレジットされていました。さらに1956年5月11日のプレスティッジでのマイルスのマラソン・セッション前半では、この曲が「Trane’s Blues」となり、作者はコルトレーンとなっていました。
さてこの日の演奏ですが、ミディアム・テンポで心地よくブルースを演奏しています。コルトレーンがテナー・サックスでテーマを奏で、すぐにアドリブ・パートに入り、6分近く演奏を続けるコルトレーンには、「ブルースのコルトレーン」の風格が出ています。
演奏は5分強のピアノ、そして4分ほどのピッチカートによるベース演奏が、トリオで繰り広げられています。どちらも、これからの輝かしい活動を想像できる内容です。
再びコルトレーンが登場し、後テーマとなって演奏は終わっていきます。
録音状態は致し方ないとしても、冒頭の数秒が収録されていないのは残念な点です。
【エピソード、このライブの存在について】
コルトレーンが1961年3月の上旬にシカゴのサザーランド・ホテルでライブを行なっていた情報については、1983年発行の資料09、そして1995年発行の資料06には記述がない。それが2008年発行の、資料06の改訂版である資料07に、このサザーランド・ホテル出演の記録が掲載されている。
資料07によれば、レーベル名や規格番号のないCDが2種類あるとのことだ。1995年から2007年にかけてのどこかで発売されたのであろう。
私はこの二つのCDの存在は知らずにいた。恐らくは多くのコルトレーン愛好家が同様であろう。私は、コルトレーンのサザーランド・ホテル出演については2008年発行の資料07で知り、そしてその演奏を聴くことが出来たのは2012年のことであった。
【ついでにフォト】