Well, You Needn’t
(Thelonious Monk)
(6分18秒)
【この曲、この演奏】
モンク独特のリフが印象的なこの曲は、多くのジャズマンに演奏されてきています。
資料06によれば、コルトレーンの演奏記録は3回です。先ずは1956年9月15日にマイルスバンド、本セッションと同メンバーでの、カフェ・ボヘミアでのライブで、私家録音で残っているようです。この年の春から秋にかけてマイルスはカフェ・ボヘミアで何度も演奏していますので、実際には数多く演奏していたと思います。最後が1957年6月26日に、リバーサイドでの御大モンクのセッションでの演奏です。またマイルスはこの曲を、この後もライブで度々演奏している記録があります。(資料08)
さて演奏ですが、5人全員が全速で走り抜けて行く演奏です。特にコルトレーンは出だしを任されて意気に感じて力闘しており、マイルスはオープン・トランペットで親分の存在を示し、ガーランドはいつもとは違う音色で勝負に出て、チャンバースとフィリーは力強さを前面に出した演奏です。何かの鬱憤を晴らした5人の印象で、聴き終えました。
【エピソード、フィリー・ジョー・ジョーンズとコルトレーン、そしてプレスティッジ】
フィリーとコルトレーンと言えば、何度も共演している盟友との印象ですが、マイルス絡みを除くと5回しか共演がありません。ブルーノートでのチャンバース、プレスティッジでのエルモ・ホープ,ロリンズ,そしてダメロンとの共演、さらにはベツレヘムでのオールスターズでのセッションです。自分のバンドを持つ前のプレスティッジにはもっと共演があるかと思うのですが、意外でした。
次にフィリーのプレスティッジへの録音ですが、マイルスとコルトレーン絡み以外では、5回しかありません。これをどう考えるかですが、1950年代の売れっ子ドラマーと毎週金曜日にヴァンゲル・スタジオで録音を行っていたプレスティッジですので、私には少ないと感じます。(資料08)
これについて資料11に、フィリーとボブ・ワインストックの関係があまり良くなかったとの記述があります。
なるほどと思いながら、他にも事情があったのだろうなとか思った次第です。
【ついでにフォト】
2005年 香港
(2019年2月27日掲載)