19631102-03

Chasin’ the Trane
(John Coltrane)
(5分39秒)



【この曲、この演奏】
 記録が残っている限りでは、コルトレーンが1963年欧州ツアーでこの曲を演奏したのは、10日目のこのベルリンが初めてです。

 ほぼトリオでの演奏となっています。コルトレーンはテナー・サックスで最初から最後まで、何かを確かめるかにように吹き続けています。




【エピソード、1963年のミシェル・デロームのインタヴュー記事 その10】
(このインタヴューの最中にコルトレーンに電話があり、その電話が終わった後に誰かがドアを何度も何度もノックする。なんぞの人物が部屋に入ってくると、コルトレーンはその男に金の話を始めた。テープレコーダーは回っていた)

コルトレーン
 金を持って来たのか?

謎の男
 え?

コルトレーン
 金を持って来たんじゃないのか?

謎の男
 え? 何の話だ? 金なんかないよ。どういうことだ?

コルトレーン
 おれは破産だ!

謎の男
 破産だって?

コルトレーン
 ああ、国から金を受け取らないと。前金を払っていて(聞き取れず)フランクフルトが・・・

謎の男
 (コルトレーンが音楽に)専念できるように、金を受け取れるように交渉してみる。

コルトレーン
 ああ、何とかしないと。いくらか受け取らないことには(聞き取れず)・・・なら、八時にニューヨークから電話がかかってくるのを待とう。よし、それで行こう。

「ジャズ・オット」誌、一九六三年一二月号(資料04より)

収録アルバム

【ついでにフォト】

2015年 みなとみらい、横浜

(2022年11月29日掲載)