Chasin’ the Trane
(John Coltrane)
(5分39秒)
【この曲、この演奏】
記録が残っている限りでは、コルトレーンが1963年欧州ツアーでこの曲を演奏したのは、10日目のこのベルリンが初めてです。
ほぼトリオでの演奏となっています。コルトレーンはテナー・サックスで最初から最後まで、何かを確かめるかにように吹き続けています。
【エピソード、1963年のミシェル・デロームのインタヴュー記事 その10】
(このインタヴューの最中にコルトレーンに電話があり、その電話が終わった後に誰かがドアを何度も何度もノックする。なんぞの人物が部屋に入ってくると、コルトレーンはその男に金の話を始めた。テープレコーダーは回っていた)
コルトレーン
金を持って来たのか?
謎の男
え?
コルトレーン
金を持って来たんじゃないのか?
謎の男
え? 何の話だ? 金なんかないよ。どういうことだ?
コルトレーン
おれは破産だ!
謎の男
破産だって?
コルトレーン
ああ、国から金を受け取らないと。前金を払っていて(聞き取れず)フランクフルトが・・・
謎の男
(コルトレーンが音楽に)専念できるように、金を受け取れるように交渉してみる。
コルトレーン
ああ、何とかしないと。いくらか受け取らないことには(聞き取れず)・・・なら、八時にニューヨークから電話がかかってくるのを待とう。よし、それで行こう。
「ジャズ・オット」誌、一九六三年一二月号(資料04より)
【ついでにフォト】
2015年 みなとみらい、横浜
(2022年11月29日掲載)