West 42nd Street
(Wilbur Harden)
(7分47秒)
【この曲、この演奏】
マンハッタンの中心にある42番街には、国連本部やタイムズスクエアなどが並ぶ、世界の中でも有名な通りの一つです。ウィルバー・ハーデンが作ったこの「42番街」との曲ですが、コルトレーンの演奏記録は本セッションだけです。(資料07)
軽やかさと切なさが似合うこの曲を、ハーデンとコルトレーンが相性良くテーマを演奏しています。資料09にはマイルス・クインテットの演奏を思い出すものとしていますが、これは過剰な表現ではないと感じました。
このテーマに続くのがハーデンのソロで、メロディアスで暖かいものです。そしてコルトレーンのソロへと続きますが、それはコルトレーンがマイルスのアルバム「マイルストーンズ」セッションでの経験が花開いているような、うっとりと聴き入る素敵なものです。そしてフラナガンのソロは、先の二人の演奏を引き継ぐピアノであり、またワトキンスの弓引きベースは、力強い中にメロディが心地よく響きものです。この後にテーマとなって、素敵な演奏が終わっていきます。
【エピソード、ハーデンとコルトレーンの共演記録】
1958年3月13日 サヴォイ 本セッション アルバム「Main Stream 1958」
1958年5月13日 サヴォイ アルバム「Tanganyika Strut」が中心
1958年6月24日 サヴォイ アルバム「Jazz Way Out」が中心
1958年7月11日 プレスティッジ アルバム「Standard Coltrane」「Bahia」「Stardust]
4ヶ月間で4回のセッションを、コルトレーンはハーデンと行った。3回はサヴォイで、リーダー記載なしのアルバム1つと、ハーデンがリーダーとの作品を2枚残した。もう1回はプレスティッジで、そこでの演奏は3つのアルバムに分けて発売された。
なお、この二人の共演歴として、1958年12月26日とする記載もある。私が参照している資料09もそうなのだが、これはアルバム「Bahia」にハーデンが12月26日収録曲にも参加していると誤記載されたためによるものだ。ちなみに12月26日に行われたセッションにはフレディ・ハバードが参加している。
【ついでにフォト】
2009年 みなとみらい
(2022年4月18日掲載、改訂2022年12月16日)