Sweet and lovely
(Arnheim – Daniels – Tobias)
(9分35秒)
【この曲、この演奏】
1930年代にアメリカでヒットしたこの曲は、ジャズマンも取り上げており、ミルト・ジャクソンやビル・エヴァンスも演奏しています。(Wikipediaより)
そしてモンクは1952年、1957年、そして1960年代には何度も演奏しており(資料08)、モンクが愛した曲と言えるのでしょう。
コルトレーンの演奏記録は本セッションだけです。(資料07)
さて演奏ですが、モンクが奏でる、彼らしい美の世界でテーマを演奏しています。コルトレーンは少し支えるだけなのです。このモンクの世界、この曲のメロディを大切に演奏しながらモンクの世界も織り込んでの演奏は、実に素晴らしいものです。
3分20秒からコルトレーンのソロとなります。その演奏には懸命なコルトレーンがおりますが、まだまだモンクとの格の違いを感じてしまいます。それが途中から一転してテンポを上げた演奏となり、コルトレーンらしさが発揮されるものです。
このテンポを上げての演奏が3分ほど続き、再びゆったりした中でのモンクの美の世界に戻ります。
コルトレーンのソロの途中でテンポを速めての演奏になったことについては、人によって感想が異なるものでしょう。私としては、コルトレーンのソロがなく、5分ほどの演奏で終えた方がよかったかなと、感じています。
【エピソード、リール・テープ箱】
資料07に、アメリカ議会図書館で発見されたこのコンサートのテープが収納されている8箱の写真が掲載されている。資料07の共同編者の一人である藤岡氏が、議会図書館のLarry Appelbaum氏の協力で撮影したものだ。
背表紙を撮影したもので、そこには「11/29/57 389 CARNEGIE HALL JAZZ」と共通して書かれている。その下に「(#1)」と書かれたのが5箱、「(#2)」と書かれたのが3箱だ。
モンクのグループに演奏は2箱のテープに収録されている。
本来は10箱分のテープがあったが、2箱が紛失しており、その2箱はビリー・ホリデイのものであろうと書かれている。
【ついでにフォト】
2013年 みなとみらい
(2022年3月17日掲載)