Monk’s Mood
(Thelonious Monk)
(7分49秒)
【この曲、この演奏】
セロニアス・モンクの代表曲の一つであるこの曲ですが、資料07によればコルトレーンの演奏記録はこのコンサートだけです。しかしながら1957年に長期出演したファイヴ・スポットで、何度もこの曲を、コルトレーンはモンクのバンドで演奏したことでしょう。
9秒の拍手の後で、厳とした気持ちになるこの曲の演奏が始まります。まずはモンク一人で演奏を始め、1分55秒後にコルトレーンが登場します。コルトレーンが加わってから2分を過ぎたところで薄らとベースとドラムスの演奏がありますが、ほぼ二人で5分45秒の演奏を行なっていきます。
会場にモンクの世界を作り、慣習には馴染みが薄かったかも知れないコルトレーンの存在も、しっかりと印象付けた演奏です。
【エピソード、モンクとコルトレーンのライブ音源発売】
有名な話であるが、コルトレーンが加入したモンク・カルテットでの1957年ファイヴ・スポット長期出演は、契約の関係で公式録音は行われなかった。
コルトレーンが加わったモンクのグループのライブ演奏は、今現在迄では次の三種類が発売されてきた。
Blue Note 99786 (Thelonious Monk Quartet featuring John Coltrane / Live at the Five Spot Discovery!, released 1993)
録音年月日:1958年9月11日
発売年:1993年
クレジットには1957年夏の録音となっているが、発売当初から1957年録音であることに疑問が上がり、すぐに正解は1958年9月11日と録音年月日が特定された。
Blue Note 0946 3 35173 2 5 (Thelonious Monk Quartet with John Coltrane at Carnegie Hall, released September 2005)
録音年月日:1957年11月29日
発売年月:2005年9月
このコンサートについては、1983年発刊の資料09、そして1995年発刊の資料06には記載されていない。私の記憶によれば、2005年にこのライブ盤が発売されて、知られるようになったコンサートである。
Gambit Records 69421 (Thelonious Monk Quartet with John Coltrane, Complete Live At The Five Spot, released ca. 2006)
録音年月日:1958年9月11日 + 1957年7月
発売年:(多分)2006年
先に発売された1958年9月11日のファイヴ・スポットのコンプリート盤とのクレジットで、本作が発売された。追加されたのは2曲であった。しかしこの追加の2曲については、資料07によれば1957年7月の録音だとなっている。
それぞれの詳細については、改めて触れていく。
【ついでにフォト】
2013年 みなとみらい
(2022年3月11日掲載)