Lazy Bird (take 4)
(John Coltrane)
(7分10秒)
【この曲、この演奏】
コルトレーン作のこの曲ですが、初めて演奏されたのは本セッションとなります。その後の1960年10月24日のセッションでこの曲を演奏していますが、それはコルトレーン抜きでのリズム陣だけでの演奏でした。そしてその演奏は、マッコイ・タイナー名義で発売されたのです。(資料07)
従ってこの曲のコルトレーンの演奏記録は、本セッションだけと言えるのでしょう。
ハード・バップの熱気を元気に表現するのに相応しいこの曲ですが、テーマはリー・モーガンのトランペットが主で演奏されます。そのままモーガンがソロをとり、そのソロは、フラーのトロンボーン、コルトレーンのテナー・サックス、ドリューのピアノ、チェンバースの弓弾きベース、そしてフィリー・ジョーのドラムスと続きます。そして再びモーガンが主でテーマを吹いて、演奏は終わります。
コルトレーンのテナーはそれだけを取り出すならば硬質で良いものですが、それまでのモーガンからフラーの演奏の流れからは、雰囲気を変えてしまったものと聴こえます。またドリューのピアノのソロに迷いがる場面があります。
これが理由なのかは分かりませんが、この演奏はアルバム「ブルー・トレイン」には収録されず、恐らくは1997年に、CD「The Ultimate Blue Train」に収録されて世に出ました。
【エピソード、本セッション、発売日】
コルトレーンの初のリーダー・セッションと言えるのは、プレスティッジでの1957年5月31日のセッションである。その様子の一部は1957年10月(Wikipedia情報)にアルバム「(プレスティッジの)コルトレーン」として発売された。その後にコルトレーンはプレスティッジで1957年8月16日に2度目のリーダー・セッションを行なっている。
この1957年9月15日のセッションは、コルトレーンの3度目のリーダー・セッションと言える。そして4度目にして最後のブルー・ノートでの演奏と言える。またこの日に演奏はブルー・ノートから、アルバム「ブルー・トレイン」として発売された。
さてそに発売日だが、ブルー・ノートのオリジナル盤情報に関して、もはやバイブルと言っても良い本、フレデリック・コーエン著「Blue Note Records, A Guide for Identifying Original Pressings」2010年発刊によれば、1957年11月となっている。
一方で資料07とWikipediaでは1958年1月となっている。
しかしながらどちらの情報を採用しても、アルバム「ブルー・トレイン」がコルトレーンの2作目のリーダー・アルバムとなる。
【ついでにフォト】
2010年 タイプーサム、ペナン、マレーシア
(2022年2月17日掲載)