To Be
(John Coltrane)
(16分20秒)
【この曲、この演奏】
コルトレーン作のこの曲ですが、この曲名での演奏記録は本セッションだけです。
さて演奏ですが、ゆっくりと流れて、心染み入る静かさで、幽玄な世界、コルトレーンが辿り着いたそんな世界の16分間です。
4分間のコルトレーンのフルートでのテーマで始まります。その後ろではファラオの演奏が聴こえ、リズム陣の支えの中で、先に述べた世界が展開されています。
2分半のリズム陣による演奏に続くのは、10分に及ぶコルトレーンとファラオの演奏です。この二人が互いを必要とし、二人ならではの演奏を繰り広げている世界を聴いていると、コルトレーンが新バンドにコルトレーンが望んでいるものが見えてくるようです。
この演奏はアルバム「エクスプレッション」に収録され、1967年9月に発売されました。
【エピソード、本セッション】
「エクスプレッション」の録音日と同様に、この演奏の録音日もABCパラマウントの資料調査を通しても、不明とのことである。
資料07にある、この演奏録音についての情報は次の通りである。
この演奏に bata drum(バタドラム、コンガのような見た目の砂時計のような形の打楽器、マハール注) が聴き取れると、Alain Venditti が指摘している。またバタドラム奏者の Algie DeWitt が、1967年5月17日のセッションに参加したこと述べている。このことからこの演奏が5月17日ものと推測される。
さらに資料07では、この演奏でコルトレーンは G alto flute を使用したとのことだ。
【ついでにフォト】
2008年 みなとみらい
(2021年10月11日掲載)