Too Young To Go Steady
(H.Adamson – J.McHugh)
(4分20秒)
【この曲、この演奏】
ナット・キング・コールの歌でヒットしたこの曲の代表的名演といえば、ここでの演奏になります。他にもキース・ジャレットの演奏も知られていますが、なんと言ってもこのコルトレーンの演奏となる曲です。
コルトレーンの演奏記録は本セッションだけです。(資料07)
さて演奏ですが、「装飾音を省きストレートに歌い上げるコルトレーンのバラード・プレイの美しさ」(資料09)との表現が、ドンピシャの演奏です。少年が青年になり、そして社会では大人といわれるようになる中での、悩みや後悔を、コルトレーンのテナーサックスの響きから感じます。アドリブを廃しての演奏の中で、コルトレーンは見事な演奏を行っています。また、エルヴィンのブラシをバックにしてのマッコイのピアノにも、惚れ惚れとします。
本来ならば埋もれたはずのこの曲が、ここでの演奏でジャズ・ファン全ての心に残る曲になっていった、そんな演奏です。
【エピソード、本セッション】
名作「バラッズ」A(S)-32 のためのセッション、第二回目が欧州楽旅初日を四日後に控えた、この11月13日に行われた。一回目は9月18日だったので、それから二ヶ月後の二回目セッションとなる。これはその間に、エリントンとのセッションが行われたためであった。
曲目数としては六曲を取り上げており、その中の五曲が「バラッズ」に収録された。外されたのは、コルトレーンとマッコイのデュオで演奏された「They Say It’s Wonderful」である。この演奏は2002年に世に出た。
一回目と同様に、コルトレーンはテナーサックスだけで演奏している。
【ついでにフォト】
2009年 ペナン島
(2021年3月19日掲載)