Tunji
(John Coltrane)
(6分31秒)
【この曲、この演奏】
6月20日のセッションで13回演奏しながら、満足いく演奏に至らなかったこの曲を、この日もまた取り上げています。資料07を見る限りでは1回の演奏記録のこの日ですが、今後に新たな情報が出てくるかもしれません。
さて演奏ですが、マッコイのピアノから入り、すぐにコルトレーンがテーマを演奏していきます。そのままアドリブへとなるのですが、このテーマが見え隠れする演奏は、抑えた感情表現の中にドキッとする瞬間がいくつもある演奏です。続くマッコイのピアノ・ソロは、ここでの演奏をしっかりと飲み込んでの演奏であり、なかなかのものです。そして躍動感あるベースの展開を楽しみ、ピアノ、そしてテナーサックスが加わっていき、エンディングとなります。
何度もの試みがあり、そして日を置いてのここでの演奏、良い塾生となっています。
なお資料07によれば、この演奏の一部が、1990年公開のSpike Lee監督「Mo’ Better Blues」という映画で使われているとのことです。
【エピソード、このセッション】
A(S)-21「Coltrane」向けの5回目のセッション、最後のセッションである。記録上では二曲の演奏であり、どれも以前のセッションでも演奏されたものである。「Tunji」はこの日の演奏が本テイクとなり、「Out of This World」は没テイクとなり、6月19日のテイクが本採用となっている。
ちなみにこの日の「Out of This World」は、今に至るまで未発表のままである。「世紀の発見」が定期的におきるインパルス!だけに、今後に期待したい。
【ついでにフォト】
2008年 みなとみらい
(2021年2月26日掲載)