Not Yet
(McCoy Tyner or John Coltrane)
(6分12秒)
【この曲、この演奏】
前日の冒頭にも演奏された曲で、A(S)-21「Coltrane」四日目のセッションとなるこの日も冒頭での演奏となりました。どちらの演奏も長らく未発表となってきたが、この日の演奏は2002年にヴァーヴ傘下のインパルス!より世に出ました。
この曲の作者ですが、CDではマッコイ・タイナーとなっていますが、他の資料(07,09)ではコルトレーン作となっています。またコルトレーンもマッコイも、演奏記録はこの二日間だけです。
さて演奏ですが、これはウォーミングアップにための演奏なのでしょう。ファンキーな有名曲をもじった出だし、そして7ヶ月前のヴィレッジ・ヴァンガードでの熱演でのコルトレーンの神秘的なアドリブを引っ張り出しての展開となっています。最初の3分間はピアノ・トリオでの演奏、そして後半にはコルトレーンがテナーサックスで吹きまくるという演奏内容です。
コルトレーンがマッコイに「暖め用にこんな感じで準備して」と頼んで、この曲とこの演奏になったのでしょう。それでも存在感ありになるのは、さすがは黄金カルテットと言えます。
【エピソード、このセッション】
A(S)-21「Coltrane」向け四日目のセッションとなるこの日には、曲数としては四曲が演奏され、A(S)-21「Coltrane」には「Miles’ Mode」1曲が収録された。コルトレーンは全ての曲でテナーサックスを演奏している。
資料07にあるこの日のセッションの記録にも、カーンフェルドの調査が反映されている。従来伝えられていた「Two, Three, Four」なる曲は、「Tunji」のレコーディングの際につけた仮の曲名とのことだ。
さてこのセッションの日付であるが、資料07に興味深い記述がある。インパルス!の親会社であるABCパラマウントの記録によれば、6月21日となっているとのことだ。
【ついでにフォト】
2010年 マレーシア ペナン島でのタイプーサム
(2021年2月21日掲載)