Naima
(John Coltrane)
(7分8秒)
【この曲、この演奏】
初日で演奏した「ネイマ」を、この三日目に再演しています。メンバーは次の通りで初日と同様であり、また演奏時間もほぼ同じです。またテーマも初日と同様に、アトランティックのスタジオ演奏とは趣向を変えております。
John Coltrane(ts)
Eric Dolphy(bcl)
McCoy Tyner(p)
Reggie Workman(b)
Elvin Jones(d)
まずテーマの演奏が初日と異なります。ドルフィーはお休みの初日のテーマでしたが、この三日目ではコルトレーンのテナーと共に、ドルフィーのバスクラが重なりあっています。重量感あるこの演奏は、ゾクゾクさせるものですが、後半の乱れが少し残念なところです。
ソロの順番は初日と同様です。先ずはドルフィーのバスクラによる二分強の演奏で、落ち着きと貫禄があるものです。次のマッコイのピアノ、というよりトリオでの2分間には三人の実力に酔いしれるもので、特にエルヴィンのブラシの堅実な演奏はお見事です。コルトレーンのソロはなく、再びコルトレーンとドルフィーの織りなす音色に感心の後テーマで、演奏は終わります。
この演奏は1997年に世に出ました。
【エピソード、ボブ・シール その7】
再び業界の注目となったボブ・シールを、事業拡大を続けるABCパラマウントがプロデューサーとして迎えるべく、この夏(1961年)の終わりにかけてシールに打診した。クリード・テイラー によれば、この誘いはシールの音楽的ルーツとは関係なかった。「サム・クラーク(ABCパラマウント社長)はボストンでレコードを売っていた頃からシールを知っていたんだ。シールのやったジャズの仕事より、テレサ・ブリューワー(コーラル・レーベルでシールが育てた歌手)の音楽の方に惹かれていたのかもしれない」
後になってシールはこう話している。「おれが長年作ってきたレコードは大半がポップス系なんだってことを忘れている奴が多い」。さらにシールはこう続ける。
「白状するけれど・・・デッカやドットやハノーヴァー・シグネチュアでやっていた頃、ジャズの新人や新潮流にまったく追いついていない時期があったんだよ。アトランティックのオーネットは1枚くらい聴いていたと思うけど、初めてドルフィーを聴いたのはインパルス!で彼と一緒に仕事をするようになってからのことだ。・・・おれは基本的にはポップスのプロデューサーだ。しかも一昔前の。レコードを作って金を貰い家族を養う。ジャズのレコードもいくらかやってみようとした。でもね、ジャズは本当に趣味なんだよ。それに、どこで働くにしても作れるレコードは限られているからね」(資料13より抜粋)
【ついでにフォト】
2010年 マレーシア ペナンでのタイプーサム
(2021年1月27日掲載)